Scribble at 2023-12-18 10:11:26 Last modified: 2023-12-18 10:18:09

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そろそろ髭剃りについて詳しく調べたり、替刃式の直刃剃刀を使うようになってから1年が経過しようとしている。あいかわらず週に2回ていどは時間をかけて剃っているけれど、いまだに上達したとまでは言えない。特に顎の下の硬い髭を剃るのに躊躇することが多いので、ここは今でも T 字剃刀で剃っているし、他の部位も WTG, XTG の2回くらいで、ATG まではやらずに、ここでも T 字剃刀で仕上げている。もちろん、T 字剃刀にしたって、刃の当たり方や当たる角度は一枚刃と変わらないし、それどころか T 字剃刀は3枚も5枚も連続で髭や肌に当たるのだから、刃を肌に当てるということだけでも危険だというなら、そのリスクは一枚羽の比ではない筈なのだが、T 字剃刀を当てている方が安心して運行できる(よく考えたら、これは当たり前だ。T 字剃刀の先端部は、どう当てても刃の角度が必要以上に大きくならないように設計されているからだ。それに比べて一枚刃は幾らでも角度を付けられるので、扱いを誤れば肌をえぐることになる)。

そんなわけで、まだ暫くは一枚刃だけで髭を剃るという習慣にはならないし、ならなくても別にそれは不純でも異常でもあるまい。なんで髭を剃るのに複数の道具を使ってはいけないのか。実際、髭が伸びすぎると、逆に一枚刃で剃る方が T 字剃刀で剃るよりも痛くないという逆の事例もある。

それから、さほど頻繁に髭を剃っているわけでもないため、色々と揃えた替刃がたくさん貯まっている。そもそも昨年の暮れに初めて買った Kazakiri に付いてきた DORCO の替刃なんて半分も使っていないから、新しく買い足さなくても来年は過ごせそうだ。それに、フェザーからトルコ製まで10種類を超える替刃を色々と試してみて、正直なところ大差ないというのが実感だ。どれが突出して剃れるとか剃れないとか、アグレッシヴだマイルドだと言えるほどの違いは、まだ感じられない。いや、それどころか教科書のとおり30度の角度で丁寧に運行していても、たいていの替刃は WTG だと剃り残しが多くて困惑させられるほどだ。なので、来年は少し力を入れてみる練習を始めたい。あまりにも刃に圧力をかけなさすぎて、髭に刃が負けているような気がする(髭はピアノ線くらいの硬さがある。また、髭が刃を進めるのと同じ向きに倒れていると、刃が引っかかりにくい。剃る前にブラシで髭をよく立てて起こさないといけないのは、そのためだ。ブラシの扱いで勘違いしている人もいるようだが、ブラシで一定の方向へ髭を寝かせるように撫でてはいけない)。

とまぁ、こんな具合でのんびりやっている。おおよそやり方に慣れてくると、今年の前半は猿のように YouTube で動画を観ていたものだが、夏を過ぎると殆ど観なくなった。ちょうど、よく観ていた GORO 氏も全く動画をアップロードしなくなったし、トルコ人やインド人の、手際は良いが雑な髭剃りの動画ばかり観ていてもしょうがない。こういうことはただの趣味や贅沢なので、生産性はどうでもいいのだ。この1年を通して、始めた頃は何度があったが、肌を切ってしまうという事故が全く無くなった。髭を剃る速さはともかく、事故がないということは、技能としては少しでも向上してきているのだろうから、今後も続けられる(贅沢な)生活習慣の一部にできそうだというのは収穫だった。

そして、運行に慣れてきさえすれば高額な道具など必要ないという、既にわかっていて何度か強調してきた話だが、そういうことも改めて言える。当サイトで公開する予定のコンテンツは幾つか予定しているが、自信を持って traditional straight razor や日本剃刀、そしてそれらに関わる研ぎの話は無視できる。繰り返すが、いまや理容師の大半も替刃式の直刃剃刀を使って施術しているのだ。どうして素人やアマチュアの方がドイツやフランスの、いやそれどころかロシアのビンテージ剃刀を使って、しかも何十万円の京都の砥石で研ぎながら髭を剃る必要があろうか。

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