Scribble at 2023-12-01 10:04:32 Last modified: unmodified

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「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」はまもなく成立しなくなる…全国でバス路線の廃止が相次いでいる根本原因

学識や経験どころか実は該当する分野への切実な関心や興味や意欲すら本当はないくせに、自意識だけでものを書いている「独立研究者」なんかよりも、こうした特定の分野で仕事をしているジャーナリストやライターの方が的確な記事をまとめてくれることがある。この記事も、よくまとまっていて説得力がある良質な記事だと思う。

この記事を読んで考えさせられるのは、やはり地方だけに限らずマイノリティをどうやってサポートするかという大きなテーマだ。公共施設や公共交通機関としてマイノリティをサポートしたりマイノリティに適合した状況とするには、原則としてマジョリティの税収なり負担なりを必要とする。この記事で取り上げられている郊外を走るバスにしても、1日に数人しか利用しない区間でも自治体の助成でバスが走っていたりするのだから、運転手なりバスなり事業者を支える費用は多くの利用者がいる区間で徴収する料金、もしくは公的な助成で補完するしかない。このような仕組みはどこにでもある。山奥で暮らす身体障害者のために整備した特別な道路は、その人が納める税金だけでは造成できない。街中ですら、LGBTQ+ 専用のトイレなどを作るなら、彼ら彼女らの税金だけでは作れないだろう。要するに、これは社会保障や公共インフラについてはどんな話題でも当てはまる。

すると、当然だが税収が減るとマイノリティを十分にサポートする原資が減ってしまうのだから、人口がどんどん減っている日本においてマイノリティを支えることが難しくなってきているのは当然のことであると言える。要するに、税収としてもマジョリティである都市の住民からの税収が減ると、当たり前だが地方の住民の暮らしが劣悪になっていくわけである。これは、正当な理由もなく地方住民の住環境だけを一定の水準に維持するために都市住民の税金を優先的に使うなんていう田中角栄的なバラマキが通用しなくなっている昨今では、当然のことであろう。よって、このようなトレンドが変わらない限り、バスどころか生活インフラの大半において都市住民の税収は地方住民の生活を補助できなくなってくる。よって、このような状況では、無医村の集落に医者を派遣するために費用や設備代を補助するといった緊急を要する事案でない限り、地方に金をばらまいて「活性化」するなどという愚策を支持するべきではない。

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