Scribble at 2023-10-04 17:48:02 Last modified: 2023-10-04 18:00:58

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離散事象システム(Discrete Event Systems, DES)部会は, 2020年末をもちまして発展的解消をいたしました.

離散事象システム部会(2020年末をもちまして発展的解消)の概要

たまたま待ち行列理論(queueing theory)を解説するページを眺めていて、"discrete-event system" という分野があるのを知ったところなのだが、国内では3年前まで研究会があったようだ。残念ながら研究会は解散してしまったらしい。

昔から思っていることなのだが、特にウェブの通信やシステム開発に関連する人々というのは、SE やコーダなんてカスどもはどうでもいいが、プログラマやサーバ・エンジニアですら基礎的な分野、つまりデジタル通信とか待ち行列理論とか、いやそれどころか離散数学にすら殆ど関心がない。CS 学科の学位を持っているような人々は素養として当たり前のように学んでいるとは思うが、今度はプロパーとしての業績もなければ公でのアウトリーチにも関心がない。せいぜい、『情報処理』なんていう、日本人以外に読んでる人なんていないだろうと思うような同人誌まがいの雑誌につまんないオタク話を論文と称して掲載するのが関の山だ。これでは、国全体として基礎の学科への関心ないし業績の積み上げもなくなるわけで、アメリカや中国やインドの人々がやっていることの後追いとか、あるいは彼らが GitHub とかに公開するツールのユーザでしかなくなる。そんな国で、ジョブズやラリー・ペイジやゲイツを生み出せるなどという妄言とともに、「コーディング教育」だの小学生に RAD ツールを使わせようなどとインチキな教育系のベンチャーとかゴロツキ IT コンサルどもが出入り業者として暗躍するだけでは、この国の先行きは真っ暗であろう。

正直、子供に教えるべきはしょーもないプログラミング・ツールの使い方なんかじゃなくて、もっと果てしなく抽象的で、それゆえ応用範囲が広い数学だ。そして、それをどう使うかは、結局のところ彼ら自身が決めたり選ぶ他にない。昔の成功者は、いたずらとか犯罪とかに応用したのだろうが、そんなことは別になんでもいいし、必ずしも天才的な子供がクラッキングだけするようになるとは限らない。農家の息子なら肥料や水の管理手法についてなにか思いつくかもしれないし、母親がキャバを経営してる娘なら水割りの薄め方について色々とインチキを思いつくかもしれない。あるいは父親が文科省の官僚という娘なら、どうして父親のような人間が東大に入っても出た途端に無能な人間として文科省に入るしかなくなるのかをシステムとかプログラミングで解決できるかどうか、考えたら良い。いや、農家の息子がキャバクラの経営について情報管理システムを思いついてもいいし、父親が文科省の官僚という娘が何か良いアイデアを思いついてプログラミングと言う手段で解決しようとしてもいい。でも、学校でゴロツキみたいな IT ベンチャーが用意する目標なんてものを設定されてプログラミングを教わるだけでは、最初から用途を設定されてしまい、その中での「正解」を求めるような思考に歪められてしまう。そんなことになるくらいなら、学校ではプログラミング教育に割く時間を更に数学に割り当てて、もう少しマシな数学教員を配置したほうがいい。

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