Scribble at 2024-03-15 11:29:41 Last modified: 2024-03-15 11:29:51
会社に営業メールが届いていた事例だ。ただの宣伝であって、別にベトナム人のエンジニアを常駐しようとか、国内でくすぶってる JAVA のプログラマを推薦するとか(なぜか、こういう人材紹介会社って「Java」とは書かずに「JAVA」って書く人が多いのは謎の一つだ)、あるいは動画を1円でお試しで制作しますとか、それから週に120時間稼働できるなどと馬鹿なことを言ってくるコーダとかよりはマシと言える。いや、ほんとに。こういう広告なら別になんも違和感や嫌悪感はないんだよね。
それから、こういう広告を眺めていると色々なことに気付かされるという点で、別の意味で貴重とも言える。たとえば、上記は子どもの塗り絵とかペーパー・クラフトを印刷するための下絵とか展開図をダウンロードできるアプリケーションだというのだけど、最初にこのアプリケーションのサイトを見たときの僕の第一印象は、「なんでこんなことを、いちいちアプリケーションで提供するのか。サイトに PDF を並べておけばいいだけではないのか」ということだった。もしマネタイズするなら、そういうサイトを会員制にすればいいわけである。スマートフォンのアプリケーションにする意味が分からない。でも、考えてみれば最近は多くの人々が当たり前の用に仕事でパソコンを使っているけれど、自宅にパソコンがあるとは限らないのかもしれない。これだけスマートフォンやタブレットのスペックが高くなり、そして無線でキーボードでも繋げば仕事すらできるという環境だと、ハイスペックなマシンが必要なゲームでもしてない限りはパソコンなんて不要という家庭もあろう。
いっときは、mobile first なんていう方針でウェブ・コンテンツを制作するなんてどうなんだろうと思っていたが、もちろんそれは偏見なのであろう。多くの人々にとってはスマートフォンがウェブを利用するスタンダードなデバイスかもしれないという前提を採用するなら、もちろん「モバイル」とわざわざ特殊な条件であるかのように扱うことなく、スマートフォンやタブレットの画面設計を基準として、それからパソコンの大画面を「例外的な条件」だと見做してもいいわけである。もちろん、僕はスマートフォンの画面だけで仕事をするとか、あるいは何か文章を読んだり映像や絵画を眺めるというのは生産性が低いと思うし、画面そのものが小さすぎて、いちどに得るビジュアルとしての情報が少なくて効率が悪いと思うから良くはないと思う。でも、良くないからといって誰にでもデスクトップ・パソコンを買って使えというものでもないわけで、相手の生産性が低かろうとそれは仕方がないということなのだろう。(たとえば、いまガザ地区で砲弾が落ちてくる中を逃げている人々もスマートフォンは使っていたりするわけだが、彼らに「ノート・パソコンやデスクトップ・パソコンの方が生産性が高いですよ」などと言うバカはいないわけである。)