Scribble at 2024-09-03 17:06:30 Last modified: 2024-09-04 10:59:50

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日本経済新聞社『戦後日本経済史』(日経文庫、2022)

書店で手にとって、懐かしいイベントが解説されていたので買い求めた。ただ、他人に勧めるかといわれれば困る。

他人に勧めにくい理由の一つは、これは「経済史」の本ではないからだ。というか、こういう内容の本を「経済史」などと呼ぶのは、たぶん日本だけだろうと思う。恐らく、こういう本に「経済史」というタイトルを平気で使い、編集したり文章を書いている人々は、おそらく経済学の学位すらもっていないからだ。そもそも報道機関の経済分野を扱う部署に、経済で修士をもっている編集者や管理職すら殆どいないのは日本くらいのものだろうと思う。これも、たびたび書いているように、日本の報道機関や出版社、新聞社が、中学生の壁新聞に毛が生えたようなレベルでしかなく、彼らが社会において果たしてきた役割の大半は、知識の普及というよりも、同じ程度の人間を集めた記者クラブなどを利用した官僚や政治家などからの「聞き書き」にすぎないのである。

そもそも、この本に書かれているイベントは、本来の経済史において解説されるべき事柄を原因とする結果の話ばかりだ。カップヌードルが誕生して普及したという事実は、なにも別に日本の経済に対して何らかの影響を加えたという原因なのではなく、寧ろ日本の経済がこういうものをガキが買って食うていどに豊かになったという結果だからだ。したがって、こういう本は日本で大量に出版されているし、サラリーマンと称する人々の多くは、こういう本を喜んで読むわけだが、こういうものを何千冊と読んだところで経済など決してわからない。というか、本書に並べられている結果としての出来事を知るだけで、経済現象を推論できるような知性とか経済の知識があるなら、こんな本を読む必要など最初からないはずだ。

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