Scribble at 2026-07-24 06:09:40 Last modified: unmodified
OpenAI の内部から(誤ってだとは思うが)攻撃されて一般の方々にも知られるようになった Huggingface で、Krea 2 専用の LoRA が大量にリリースされている。これらは俗に「スタイル LoRA」と呼ばれているもので、生成する画像の描画スタイルを指定できる。かつて X で OpenAI のアルトマンが「ジブリ風」のアイコンを使って騒動を起こしたことで知られるようになった、好きなアニメーターやアーティストや「絵師」の画風や技法をシミュレートしたり、あるいは既にデジタル一眼カメラという製品にすら搭載されている「フィルム・シミュレータ」の機能を再現する LoRA だと言ってもいい。
そういう用途の LoRA を、Krea 2 というアーキテクチャのモデルに作成した人物がいて、当人の発表では合計が1,500を超えるという。これは、もともと Krea 2 が Qwen をテキスト・エンコーダとする自然文の解釈を得意としたアーキテクチャになっていて、開発元の Krea も単純な「トリガー・キーワード」のようなマジック・ワードに依存するプロンプトを避けるようにと解説していることから、寧ろ「ミュシャ風」とか「ジブリ風」などといった特定のアーティストや事業者名などをトリガーとして機能させる問題を回避しようとしているのだろう。よって、ここで紹介するような LoRA のように、特定の固有名詞に依存するプロンプトだけではなく LoRA としてしかるべき画風のデータで調整された追加ウェイトを利用することが効果的である。もちろん、Qwen の強力な解釈を利用して、"noir nouveau ornate style" のように自然文で画風を指示してもいいわけだが、どのキーワードをどれくらい活用して画像を生成するかは、プロンプトの中での位置関係にも依存するので、プロンプトの冒頭へ置いて位置を固定したとしても、その後に続くキーワードの数によって描画に与える影響が変わったり、あるいは拡散モデルじたいがもつ非決定論的なプロセスでブレが生じやすいから、これをなるべくスタイルについてのみ一定の結果に強制する LoRA の利用が効果的というわけである。
それにしても1,500個とはすごい分量で、これらをローカルに保存するだけでも数百ギガバイトのストレージを使ってしまう。もちろん、少しずつ見て必要なものだけを使わせてもらうのがよいだろう。というか、こういうものを見ても感じるのだが、これだけあっても、いわゆる「絵師」と呼ばれる人たちの画風は全くしてないんだよね。ここでリリースされてるスタイルって、artistic な画風ばかりだから、殆どアニメ風のスタイルはない。つまりは、それだけ画風あるいは描画の技法には多様性もあるし発展性もあるわけで、寧ろこれらを参考に新しい発想も出てくるはずだ。なので、改めての表明になるが、僕はやはり著作権法が想定するようにアイデアやスタイルに著作権は主張できないと思うし、すべきでもないと思う。もちろん、アルトマンが馬鹿であるように、だからといって特定のスタイルを適用した画像を公表することはデッド・コピーの公開に該当するので、これは著作権を侵害していると見做される可能性はある。