Scribble at 2022-05-30 15:26:36 Last modified: 2022-05-30 15:43:57

ヨーロッパ諸語などからの直訳調のぎくしゃくした擬似日本語文に限って、「より美しい」「より古い」「より無駄な」「より笑止千万な」などの形態を観察します。

これは、上述の後接辞「より」を、誤って前接辞として、用いているのです。逐誤訳です。言語病理現象です。

擬似比較級の「より(大きい)」という言い方は止(や)めましょう

僕も、この「より」という用法は自分でも使い辛いし読み辛いと感じていたから、止めることに賛成するし、そもそも僕は既に使わない。

「A よりも B がより大きい」

などという表現を許すと、日本語では順番を入れ替えられるため、

「B が A よりもより大きい」

などと、「より」という同じ表記が連続する無作法にもなろう。

確かに特別な状況では、"Though A is larger than B, C will be much larger than B." のように(小森のおばちゃまには気の毒だが、"-er" で終わる比較級に "more" を使うのは「無教養」と見做される)、大きさの度合い同士を比べて、B に対する A の大きさよりも、B に対する C の大きさの方が、差として更に大きいと言いたい場合にのみ、「より大きい」という表現で言われていることを許容できなくもない。だが、そういう場合でも、いままさに書いた通り「更に大きい」と言えばいいだけなのだ。

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