Scribble at 2023-04-16 08:44:42 Last modified: 2023-04-16 08:52:21

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The TIOBE Programming Community index is an indicator of the popularity of programming languages. The index is updated once a month. The ratings are based on the number of skilled engineers world-wide, courses and third party vendors. Popular search engines such as Google, Bing, Yahoo!, Wikipedia, Amazon, YouTube and Baidu are used to calculate the ratings. It is important to note that the TIOBE index is not about the best programming language or the language in which most lines of code have been written.

TIOBE Index for April 2023

僕自身は大して気にしていないのだが、この TIOBE インデクスというプログラミング言語のランキングは毎月の更新だというので、IT関連のライターやメディア(もちろん、まともに仕事しているライターやメディアまで蔑む必要はないし、或る程度は賞賛に値しよう。まともな仕事をしていれば、だがね。いずれにせよ、プロは結果がすべてだ)でも情報源にしている人たちは多くいよう。そして、そういう人たちの「まとめ」だの未熟な実装経験による解釈など不要なプロのエンジニアである我々は、直にこういうランキングをブックマークして参考にするとよい。ただ、"TIOBE Programming Community Index Definition" のページをご覧いただくと一目瞭然なのだが、このランキングはそもそも多くのサイトで検索した結果をまとめただけにすぎない(それ以外にどんな方法があるのかと聞かれたら、確かに困るのだが)。したがって、このランキングは必ずしもプロのエンジニアがもつスキル・セットの中に多く含まれる言語をランキングしているわけではないし、採用事例の件数を反映しているわけでもない。言ってみれば「世界中の人々の調べ物」の話題として最も多く調べられたり回答されたり語られている言語のランキングであり、簡単に言えば広告業界の "publicity" という概念に近い。よって、このランキングに掲載されている言語を上から10位くらいまで習得したら TIS や IBM に就職できるというものでもないし、プログラマとして何かを語れるわけでもないし、もちろんコンピュータ・サイエンスの修士号を授与されるのでもない。正直、習得している言語の数なんて、IT 系の資格と同じく就職や現実の仕事では殆ど意味がないと思った方がいいだろう。

しかし、それでも多くの方々には資格試験の勉強なりテキストの通読は薦められる。資格の勉強で使うテキストは体系的にまとめられていて、良くも悪くも偏りが少ないため、凡庸な才能しかない、あるいは特に何をしたいわけでもなく高校で「情報」なんていう課目で学ぶしかない、たいていの人にこそ良い教材だからだ。何か強い動機があってやりたいことのためにシステムを開発するなりプログラミングを習得したいというベンチャーが目的の人であり、なおかつ才能があるなら、もちろん自分の関心だけを満たすための勉強をしていいし、仮に才能がなくても世の中にはベンチャーの「死体」なんて幾らでもころがっている。法に反しない限り、やりたいことだけをやってみて、失敗したらやり直せばいいのだ。後で体系的な知識を身に着けたいと思って資格試験のテキストで学んでもいいし、更に基礎的な勉強をするために40歳なり60歳でも大学へ入ってもいい。だいたい、海外ではそういう理由で大学へ入る人なんて幾らでもいるわけで、キャンパスに20歳前後の小僧しかいない大学なんて、逆に気味悪いだろう。SF 作品によくあるアンドロイドの製造工場とか、生体兵器の培養施設みたいだ。あるいは中世の、なかば徒弟制度とも言いうる場所として宗教組織の養成所だった古臭い大学の姿とも言える。

さて、そういうわけで、こういうページは僕らのような職業的な開発者が仕事にあたって参考にするために眺めるようなランキングではないのだが、ランキングの推移なり動向そのものは興味深い。仕事とは別に、いわゆる「スキル・アップ」の参考にはなろう。上記のランキングを1位から10位まで並べると、(1) Python, (2) C, (3) Java, (4) C++, (5) C#, (6) Visual Basic, (7) JavaScript, (8) SQL, (9) PHP, (10) Go となっている。これらのうち、僕が仕事で使ったことがあるのは Python, C, JavaScript, SQL, PHP という五つの「言語」なので(いまだに SQL を「プログラミング言語」だと言われても違和感を覚えるのだが)、他の言語についてはどういうスタンスを取ればいいかを決める機会があるのかもしれない。全くの無知ではいけないとは思う。ただ、仕事で使うかと言われたら、それはない。俺に Java を習得させて何か開発させたいなら、少なくともいまの年収の3倍はもらいたいし、部下も20人くらいは必要だ・・・という事案でしか使わないだろう。ふつう。CMS の開発であっても、自治体に納品するような億単位の案件でもない限り、ウェブ・アプリケーションの開発者が Java を習得するなんて、文字通り牛刀で鶏を割くようなものだ。そして C++ や Go は学ぶに値するし、それなりに本を買ったりオンラインのマニュアルに目を通しているし、処理系をパソコンへインストールしたこともある。Visual Basic? なにそれおいしいの? ていうか、こんなのいまどき IT ゼネコンのロートルが、出向先の上場企業のクルクルパーな経理とかの代わりに Excel のマクロを書くための道具だろ?

ちなみに Forth を探すと、いよいよ50位以下に転落しているようだ。あたりまえと言えばそれまでだが、興味深い言語ではあるけれど、前にも説明したようにコミュニティが閉鎖的すぎてどうしようもない。文章を書いたり動画に出てくるのはジジイばっかだし(僕ですら「若年層」だろう)、もう手遅れだと思う。珍しい言語があると紹介するクズみたいなブログ記事を書く若造なんて、実際には仕事で1行すら Forth のコードなどタイプしたことはあるまい。あんなものに騙されてはいけない。僕らのようなプロのエンジニアが実際に仕事だろうと趣味だろうと実装しているかどうかが、道具の価値の全てなのだ。学生やインチキ・ライターの記事がどれほど公開されてるかなんて、何の意味もないのだ。よって、逆にそういう記事を除外してクレイピングするようなデータをまとめたランキングを GPT-4 などを使ってまとめられたら、皮肉な話だが(無能な)人間なんていうゴミ要素を排除した真の仕事の姿が逆に分かることだろう。

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