Scribble at 2024-02-15 18:39:06 Last modified: 2024-02-15 18:41:41
いやぁ。こういう助成の是非は別に議論としてあるとは思うけど、クラウド・サービスの技術開発に助成金が6億円って。国際的な競争力という観点から言っても三桁くらい少ないだろうし、そもそもがさくらインターネットの R&D で確保してる予算においてすら、6億円なんてガキの小遣い銭ていどじゃないの? 全国で採用する新卒の研修費用だけで、それくらい使ってそうなもんだがね。
このスケール感の異常さって、もし官僚に自覚がないなら深刻な無能集団ということになるし、自覚があってやってるなら、もう殆ど実績作りというかアリバイ工作でしかないと思うな。だって、簡単に考えてもみたらいいんだけど、標準的なクラウド・サービスで使ってるブレード(サーバ・ブレードが5台と OS の CAL とバックアップ装置とソフトウェアとかで)一式が安くても1,500万円とかだ。業務用のシステム構成については、一般的なウェブ制作会社のエンジニアなんかは殆ど知識も経験もないと思うので予算感がわからないと思うが、ネット・ベンチャーで自社サービスのサーバやネットワークを設計したり構築したことがあるような、僕らと同じアーキテクト級のエンジニアであれば、こういうのは予算感としておおよそ持ってるだろう。つまり、6億なんてのは、これを全てブレードの購入に注ぎ込んだとしても、せいぜい40式を揃える費用にしかならない。確かに、実験用であれば40式くらいで色々なことはできる。実際、大学なんかだとブレードを何十式も使ってる研究室は少ないだろう。ただ、大学でやる理論的な試験であればともかく、こういう工学的な議論というものは、実際に巨大なスケールの機器群を使わないと、良いことであれ悪いことであれ分からないこともあるのだ(それに、純粋な理論だけが目的ならシミュレータで済む)。
とにかく、上場企業に対してというよりも IT の研究開発に対して、いまどき6億とは呆れるね。昨今の国家官僚は金持ち東大お坊っちゃんばっかりだから、お茶の間感覚とか主婦感覚とか庶民感覚なんていう博報堂的な偏見や錯覚を振り回してウケを狙ってるのかもしれないが、こういうことは是々非々でやらないと。