Scribble at 2023-10-09 07:49:10 Last modified: 2023-10-10 10:24:46

朝日の社長は政治部と経済部が独占し、社会部出身は歴史上1人しかいない。よく言われることだが、朝日新聞は左翼が書いて右翼が経営しているのだ。その典型が、6年間にわたって民放連会長として業界に君臨した広瀬道貞氏である。

朝日新聞という問題

某アイス・スケーターの結婚相手と報じられている、実家が山口県の光市にある元バイオリニストの女性について、その親族であるテレビ朝日の人物まで詳細に書かれている記事があった。正直、スケーター氏とか結婚相手の女性とかはどうでもいいが、この女性の叔父とされる人物についてウィキペディアの記録を眺めると、これはこれで興味深い。かつてネトウヨ構成作家(あるいはコピペ日本史研究者とでも言おうか)の発言を左翼の親会社に対する背任的な行為だと揶揄したことはあるが、どうも池田信夫君が言うようにテレビ局や新聞社の中は相当に複雑なものなのだろう。

もちろん、信夫君が言うほどの単純な仕組みではないのかもしれないが、複雑であるということは、少なくともテレビ朝日であろうとフジテレビであろうと、あるいは朝日新聞であろうと産経新聞であろいうと、社内には一定の派閥なり対立があって、必ずしもイデオロギーや思想としての対立とは限らないだろうが、表に現れる「朝日系列は左寄りで、フジ産経系列は右寄り」という印象は、それなりの妥協によってもたらされているパフォーマンスの結果だと言いうる。そして、同じようなことはどこの国の報道機関なりマスコミ各社にもあろうから、それゆえにメディア・リテラシーは初等教育あたりから熱心に教えられているのであろう。いわば、あれはマス・メディアと教育機関(教育行政)の牽制関係の結果とも思われるが、わざわざ行政や立法機関がメディア・リテラシーのように批判的な態度を国民に推奨するわけがないので、つまるところ海外の教師というのはマスコミと教育行政とを両方とも相手にして、或る意味では戦っているとも言えるのだ。そして、そのために必要な力が理論と知識であるがゆえに、海外の教員は小学校で教えていても博士号をもっていたりするのであろう。

それにしても、しばしばフリーになったアナウンサーがイデオロギーとしては全く逆のテレビ局で報道番組や時事問題を語るワイド・ショーに出ていたりする。つまりフジテレビでアイドルまがいの扱いを受けていた女性アナウンサーの何人かは、フリーになってからテレビ朝日の番組に出て、組合幹部かと思うようなアドリブ発言をしていたりするのを見聞きしている。その逆に、TBS やテレビ朝日のアナウンサーがフリーになってからフジテレビの番組でネトウヨ発言(外国人労働者は出ていけとか、生活保護なんて制度は税金の無駄遣いだとか)をするというのは、流石にそちらはマスコミの現状だと「放送事故」という扱いになるので、なかなか表には現れないが、櫻井よしこ氏のように文筆なり講演なり、あるいは右派の大学で講師を勤めるなりして一定の稼ぎ口を維持するものらしい。また、このたびの機会で知るところとなったテレビ朝日の人物のごとく、「ご近所」だった安倍晋三氏と知り合いであったことを豪語してみたり、報道関係者でもありながら地元では名の知れた建設会社の経営者一族であったりと、口先では「庶民」だの「暮らし」だのというフレーズを振り回していても、結局は大半の家庭の生活に興味のないポジションの人々なのだろうとは思う。しかしそれでも、「庶民の暮らし」だの国政について報道したり語るという仕事はできる。まさに ChatGPT と同じレベルで記事やテレビ番組の原稿を「操作」したり「出力」するだけなら、人でも可能な処理だからだ。おそらく、大東亜戦争のさなかに最も戦争熱を煽っていた新聞社の系列会社として、その手の機械的な作業と無頓着は、「公正中立な報道」という名のもとに洗練され強化されていったのであろう。そして、その実務的な習慣が現在でも朝日系列の社内で受け継がれているに違いない。

ときとして朝日新聞やテレビ朝日の報道姿勢が金持ちや国家官僚的なパターナリズムやセンチメンタリズムとして現れるのは、かつての「プロレタリアート独裁」といった立場からの逸脱とか、あるいは左翼的な理屈の間違った理解に原因があるのではなく、朝日系列にも多いであろう、成金の子息が暇潰しに安っぽい正義感だけでジャーナリストなんてやってるからなのだろう。

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