Scribble at 2023-11-02 09:15:42 Last modified: 2023-11-02 09:21:57
まだこんなことをやってるのか。ていうか、Google がレジストリになってたんだな。恐ろしい。彼らは今年の前半に ".zip" だとか、明らかにファイル名と混同されてフィッシングに悪用されかねない愚かな TLD をリリースして不評を買ったばかりだ。それに、Google はレジストリの事業とは別にドメイン管理の Google Domains という事業を提供していたのに、いとも簡単に他社へ売却してしまっているという会社だ。他の、"selection and concentration" を株主への言い訳として、"spring kick-out" とも言われる事業整理でも色々なサービスを終了させたり事業売却してきた経緯があるため、正直なところ going concern を旨とする事業者が Google に依存するのはそれなりにリスキーだ。いっときは「プラットフォーム戦略」などと持て囃されたものの、IT 企業の掲げる「プラットフォーム」という語句には、殆どインフラ事業者としての自覚もなければ、実は長期計画を立てるほどの見通しもないのである。
それはそうだろう。いまやアメリカの大企業の経営者は、自分が数年後に会社を去るときの退職金やストック・オプションのことしか考えていないのだから。
そして、これに加えて僕が何度か書いてきたように、ドメイン名に何かアイデンティティのようなものを連想させたり盛り込もうとするのは、はっきり言って過剰な思い込みであり、刹那的としか言いようがない自己満足を超えるものではない。時間が経過するにつれて、そのようなレイブルとか偶然的と言いうる属性は剥ぎ取られたり抜け落ちていくものであって、たとえば哲学とか民主主義なんて誰が考案したアイデアなのか誰にも分からなくなっている。しかし、それでもいいし、それでいいのだ。