Scribble at 2025-02-07 15:55:42 Last modified: 2025-02-07 15:58:36

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林官房長官は7日午前の記者会見で「書店は読書を通じて多様な価値観を学び、創造性を育む場として重要だ」と述べた。経済産業省は今春、関係省庁と「書店活性化プラン」を策定予定で、林氏は「関係省庁が連携して書店活性化を推進する」と強調した。

書店振興策に賛同の声、林官房長官「省庁連携して活性化を推進」[読売新聞社・講談社提言]

なんだこりゃ。さきほど、たまたま連れ合いから教えてもらったのだが、大阪駅前に入居している人文系の書店が閉業するという。ヘイト本だとか、あるいはインチキ保守の構成作家が書いてるファンタジー歴史小説などを配架しない方針の書店だというが、別に特定の政党やイデオロギーを奉じているわけではない。ただ、入居しているビルの建て替えで移転しようにも、そのコストを捻出するのが難しいほど、書店経営というのは内部留保すら満足ではないようだ。加えて、そういうコストを銀行からの融資でカバーするのも難しいのだろう。

そういう厳しい状況の書店が増えつつあるという話は、丁寧に調べればまともな社会学者や経済学者が指摘しているように、実はアマゾンが多くの人に利用されたり、あるいは電子書籍が普及するよりも、ずっと前から起きていたことなのだ。なので、はっきり言えば、この提言とやらは既に手遅れである。これから官僚が「プラン」などを称して更に数年ほど鼻くそをほじりながら卒論以下の馬鹿みたいな文章を書いて、招聘した委員たちに事実上の添削をさせるんだろうけど、そんなことを何年やろうと同じである。ぶっちゃけ、新聞社や出版社なんて本当のところは小売業である書店が宇宙から消えてなくなろうと、販路がなくなるわけではないのだから痛くも痒くもないだろうし、そうあるために電子化へ移行してきた筈なのである。いまさら白馬の王子を気取って書店をサポートするなどと提言しようが、それ自体が一つの「読み物」というコンテンツとして消費されるだけであろう。

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