Scribble at 2026-11-02 13:31:43 Last modified: 2026-11-02 14:10:36
AI を利用して研究から実用化までが進展している応用分野を色々と紹介しながら、コンピュータ・サイエンスという科目つまりはアプローチそのものを更新しようと提案している。このところ、岡野原氏は次々と著書を出していて、まさしく生成 AI で原稿を書いてるんだろうとは思うが、いささか性急な感がある。さきごろ出た岩波新書も、生成 AI がはじき出すていどの短文を集めた総覧的な解説としてウィキペディア的な利便性はあると思うのだが、どうも個人的な見解を当該分野の概論あるいは定説みたいに書いてしまう「人間ハルシーネション」に陥っているようにも思う。
この本にしたってそうだ。書いている内容はもっともらしいが、しょせんは個人の意見や提案にすぎない。会社で言えば稟議書を本として出版しているようなものだ。正直、博士号をもっているとは言え、彼は私企業の経営者にすぎない。コンピュータ・サイエンスという学術分野そのものを書き換えるなどと提案できるほどの実績がある人物だとは思わないので、学問の体系について私的な意見を出版までして販売するのは傲慢だと思う。それこそ何年も前に A New Kind of Science という大部の本で計算機科学による数理科学の統一みたいなことを口走ったものの、コンピュータ・サイエンスの研究者からも総スカンを食らったという人物の前例もある。