Scribble at 2024-03-27 10:26:12 Last modified: 2024-03-27 12:50:54

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Don’t let a poorly-designed website keep you from driving conversions. Level up your B2B website design and improve customer experience.

The Complete Guide to B2B Website Design (with Examples and Tips)

B2B サイトを制作するときのヒントみたいなものは、既に数多く出回っていて、そしておおむね間違ったことは言っていないと思う。これは、制作会社や批評家どうしがお互いに批判しないという奇妙な(海外ですら大半の制作会社どうしでの批評がない)習慣があるにもかかわらず、互いに独自の内容を語っているかというと、実はそうでもなく似通っているという妙な状況にあるからだ。これは、たぶん何かの事情でたまたまそうなっているにすぎず、決して理想的でもなければ必然的な結果でもないので、いまこういう状況にあることが当たり前だと思ってコンテンツを利用しないように、これからデザイナーや情報アーキテクトを目指す諸君には忠告しておこう。

さて、そういうわけで大半のサイトで書かれていることは、要するに B2B サイトは B2C サイトとは違ってサービスの「衝動買い」とか「お試し」なんてことは期待できないわけであって、コンテンツとして必要十分な量を提供して、それでも不足するようであれば問い合わせフォームや資料請求につなげるという CTR を前提に設計しなくてはいけない。B2C のように、試しにユーザ登録して使ってみようとか、あるいはデザイナーのポートフォリオのように(本来、デザイナーのポートフォリオは B2B サイトであるはずだが)、ブランディングに偏った設計をして、情感に訴えるだけのアニメーションやグラフィックスなどを駆使するのは、B2B サイトの場合は逆に企業や事業の信頼性を疑わせる原因になりやすい。要するに、具体的で詳細な情報がほしいはずの相手からは「はったり」にしか見えないわけである。

また、上記の記事でも書かれているように、B2B の場合は打診や発注を決めるまでに比較検討したり吟味する時間が長くかかるし、かけるべきでもあろう。よって、ウェブサイトやページでの滞留時間も長くなる傾向にあるし、見込みがあればあるほど再びアクセスされる可能性が高い。これに比べて、B2C ビジネスの場合はどうか。みなさんは、Google の運営事業者のサイト(about.google)は見たことがあるだろうか。

ふつう、取引しようという企業を決めるときには「与信」というものがあって、われわれ中小企業でも与信管理というものが当然のようにある。会社を名乗っていながら法人番号もなければインボイスの番号もないというのでは、取引する相手として論外であることは言うまでもないからだ。すると、あたりまえだが自社のコーポレート・サイトにおいても相手からは同じ観点や基準で与信の判断をされているのであって、もちろん帝国データバンクほどの情報を自らサイトで掲載する必要はないが、とりわけ日本で企業どうしの取引をする場合はサイトで掲載するべき所定の事項というものがある。

なので、そういうことを知らない、企業勤めの経験がなくて他社のサイトを参考にするという発想もないよなお坊ちゃんやお嬢ちゃんがベンチャーのサイトを作ったりすると、たいていは与信を判断しようがない、まったく役に立たない情報しか掲載されていなかったりする。たとえば、東大教授が顧問だと書いておきながら株主を掲載していないとか、あるいは六本木ヒルズにデザイナーズ・オフィスを構えている写真を掲載しておきながら登記している本店所在地を掲載していないとか、そういう不備がいくらでもある。

ただし、既に商流が一部のゼネコンとか官公庁とか金融機関などで決まっていて、新しくビジネスを開拓する気がまるでない技術系・知財系のベンチャーというものもあるので、そういう場合は自社のコンテンツが不十分・不適切でも気にしないことがある。よって、他社のサイトを参考にする場合、既に特定の業界とか特定の企業や官公庁などからの受発注だけで食ってると思われるような会社のコーポレート・サイトは参考にしないほうがいい。そういう左うちわで事業をやってる連中なんて参考にしてもしょうがないからだ。具体的に言えば、AI や量子コンピューティングや暗号技術や通信関連の IT 系(ネット・ベンチャーではなく、本当に情報科学の技術や理論を売り物にしている)のベンチャー企業のコーポレート・サイトは、おおむね参考にしてはいけない。

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