Scribble at 2024-04-16 18:41:25 Last modified: 2024-04-17 09:25:23

女性学やフェミニズム関連の著作物が手元に多くあり、そろそろこれらの御紹介も兼ねて "book discussions" のようなコンテンツを公開していこうかと予定している。書籍の紹介を兼ねているものの、よくある三流の書評ブログのような、目次をえんえんと並べ立てたり、中身の梗概を書き連ねるだけというのはしない。これは、以前も書いたことがあると思うが、そんなことは既に出版元の紹介文や図書館のデータを食い散らかした(「学習」ともいう)生成 AI が幾らでもやるのだから、いまどき人間、しかも僕がやるようなタスクではない。必要に応じて Gemini にでも質問すればよろしい。たとえば、「上野千鶴子『家父長制と資本制』の概要を教えて。」と質問した回答はこうなる。https://g.co/gemini/share/1b6110a9e239

もちろんだが、この回答が正しいという保証はまったくない。したがって、読んだと称してデタラメなことを言ってアホ扱いされたくなければ、ちゃんと買うなり借りて読む他にないのだ。他人の書評やアマゾンのレビュー、それから僕がこれから公開する book discussions を読むだけで、学術研究あるいは知性を高める修練を誰かに代行させることなどできはしないのだ。

さて、どうして "book reviews" ではなく "book discussions" なのかと言えば、簡単なことだが、読んだ本の中身を引用したり、まとめた文章を公開することが目的ではないからだ。その手の、小学生の読書感想文なんて、哲学者がいちいち他人に公開するコンテンツとして制作するようなものではなかろう。仮に大学哲学科の学部生であろうと、そんなことはするべきではない(よって、講義やゼミでそんなことを学生に要求している教員は、僕に言わせれば極め付きの無能である)。読んで何を考えたり言うかが読書の効用であり目的であって、書かれている言葉を暗記して此れ見よがしにそらんじるスノッブ趣味など、とりわけわれわれのような哲学者には不要である。review として他人の著作物をあれこれと評価することが趣旨なのではなく、読んで何事かを考え議論するという discussion が趣旨なのだ。よって、取り上げる著作物から1行すら引用しない場合もあろうが、要するに主旨はそれを読んだ僕の論説であって、その論説をみなさんがどう読むかということに重点が置かれているのである。

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