Scribble at 2023-04-07 12:25:29 Last modified: 2023-04-08 01:12:21

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ChatGPT が基本的に古いスクレイピング・データに基づく小学生の作文でしかなく、データも古ければ作文能力としても稚拙であるという話は、何度か書いてきた。そして、何度も証拠を出す必要はないと思うが、改めて使ってみて、ああこれは(頭の弱い)雑談相手にしかならないなという印象を改めて受けた。

僕の質問は、ストレート・レイザーについて、stropping(革砥でのメンテナンス)が何のためのものなのかというもので、幾つかの回答を得てから、どこで解説を読めるのか(Where can I read about this purpose of stropping?)と質問した答えが上記の返答である。

https://straightrazorplace.com/articles/art-stropping/

https://groomingartist.com/the-science-of-stropping/

https://www.thebaldnation.com/how-to-strop-a-straight-razor-a-guide-for-beginners/

https://sharpologist.com/the-importance-of-stropping-a-straight-razor/

驚くべきことに、これらの URL は全て、既に存在しないか無関係な内容のページにリダイレクトされてしまう。よって、これらのページで stropping について知りうることはゼロである。どうしてこんな愚かなことになるのかというと、話は簡単であり、ChatGPT はこれらのページがコンテンツをもっていた大昔にアクセスしたデータを元に回答しているからだ。これは、典拠表記というものの findability なりトレーサビリティを真面目に考えたら、全く使い物にならないと言える。一昨日に、Nature などの学術雑誌が ChatGPT の利用についてどういう立場をとるかという話題がニューズで報じられていたけれど、僕に言わせれば ChatGPT を学術研究に利用するなんて論外である。ChatGPT の回答の「裏を取る」手間の方がかかりすぎて、早い話が二度手間にしかならないからだ。

ちなみに、HP がゼロのスライムにイオナズンを唱えるがごとき無駄かもしれないが、上の回答について "Unfortunately, your list of resources looks obsolete, and suggested web pages were already deleted, or some are irrelevant to our topic." と指摘すると、ChatGPT は更にがんばって次のような・・・全て 404 Not Found のページを紹介してきた。

https://www.artofmanliness.com/articles/how-to-strop-a-straight-razor/

https://www.westcoastshaving.com/blogs/wet-shaving-and-grooming-blog/stropping-a-straight-razor

https://theshaveacademy.co.uk/blogs/shave-academy-blog/the-importance-of-stropping-your-straight-razor

https://www.mensjournal.com/gear/stropping-a-straight-razor-everything-you-need-to-know/

もちろん、かわいそうな ChatGPT にも弁護するべき点はあろう。これらのサイトが勝手に URL を変えたり、コンテンツを消してしまうからこんなミスマッチが起きるのである。ただ、僕がここ数カ月で何度も言ってきたように、既に traditional wet shaving のブームは2020年ごろで終わってしまっていると思うので、仕方ないと言えば仕方のないことかもしれない。こういうミスマッチが続いていくうちに、興味を持った人がいてもリソースにたどり着けずに「なんだ、オワコンか・・・」ということで新規参入者も減ってしまうという悪循環に陥るわけである。

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