Scribble at 2024-05-08 19:19:18 Last modified: 2024-05-08 19:24:49

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おおよそ画像の生成 AI については、フロント・エンドの初歩的な解説を掲載するブログ記事の乱立という段階を経て、現在は話題としても落ち着きつつある。

理由は幾つかあると思うのだが、まず第一に Stable Diffusion などを使って試せる環境の人々が一通り体験を終えたと思われる。そして、自分のマシンでは無理だと判断した人の一部はオンラインのサービスへ流れたかもしれない。でも、オンラインの画像生成は有料サービスなので、必ず期待するような画像が出てくるとは限らないものにお金をつぎ込む人は少ないであろう。ゲームのガチャとは違って、生成 AI の場合は入力する条件が間違っていると、何万枚の画像を出力しても目当ての画像なんて出てこない可能性があるからだ。

第二に、画像の生成 AI を使う用途として、ほぼイラスト制作の補助という実務か、もしくは中高生男子の「おかず」の制作という両極端に収束した可能性がある。僕らのように社内研修の教材で挿絵に利用するなんて使い方は少ないだろう。一つ前の落書きでも書いたように、地方自治体でも生成 AI の画像を使うようになってはいるけれど、いまだに「いらすとや」の挿絵が圧倒的に多いという事実で、それが分かる。もちろん、目当ての画像を出力するために技術や知識だけでなく、単純に何枚ものトライアルが必要となるのだから、たいていの会社で企画書を書いてる勤め人なんて判で押したような同じことしか考えないロボットどもだし、知識や経験でも似たようなものだ。それらのニーズに数多くのイラストで既に対応してきている「いらすとや」のイラストで十分なものを、わざわざオリジナルの画像を生成するなんて工数をかけるのは、企業人として愚行であろう。ということで、プロのイラスト制作か子供の遊びという用途に収束したと思われるため、大半の人には関係ないものだという理解が浸透しつつあると思う。すると、プロとして利用する人たちはもちろん、鼻息荒く画像を出そうという若者たちも、自分たちで色々と調べたり試行錯誤するので、ブログ記事を書いているていどの人々の経験とか知識なんてすぐに追いつかれてしまう。正直、目当ての画像を出すというだけなら、テンソル解析どころか、線形代数も機械学習の勉強も不要だし。

加えて、話題が落ち着きつつあるというよりも、そうした解説を掲載してきたブログの運営者の大半が、たぶん記事として書くことがなくなったという事情もあると思う。正直、フロント・エンドの使い方なんて何十ページもブログ記事で説明するようなことでもないし、プロンプトについても自然言語処理の性能が上がってくれば次第にテクニカルな知識など不要になる。そして、どうも見てるとブログ記事をせっせと書いていた人たちって、本当のところそんなに使ってないように見えるんだよな。SoreNuts とか、一部の例外的に良質なコンテンツを提供してくれている人々を除けば、話題になってるあいだにひと稼ぎして終わりといった感じの、新しいサービスとかテクノロジーについてアーリー・アダプターを自称してくだらない解説本をとかノウハウ記事を書いて小銭稼ぎをする連中っているじゃん。あれだよな。あんなの、特にデザインの素質もなければ基本的な数学の知識もない、まさに他人よりも先に使い始めたってだけの連中なので、アドバンテージがなくなると即座にコミットしなくなる。

ということなので、これから何かイラストや写真のような画像を生成させてみたいという方は、既存のブログとか Notes などの中から選ぶことになるとは思うんだけど、残骸みたいなブログの記事は古いままで役に立たなくなるので、丁寧に継続して記事を更新したり公開し続けているところを見るのがいいと思う。もちろん、SoreNuts はおすすめできるサイトの一つだ。というか、他にあるかね。Notes だと、Checkpoint を自らトレーニングして公開してるクリエイターの記事くらいだろうか。

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