Scribble at 2020-12-22 10:07:57 Last modified: 2020-12-22 10:11:41

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さきほど机の周りを整理していると、昔のノートが出てきた。表紙には1987年3月18日と書いてあり、これが使い始めた日付だったのかどうかは分からないが、ノートを使い始める遥か前や後に特定の日付を書く事情など、いずれにしても想像したり思い出すことは不可能であるから、ひとまず1987年、つまり僕が高校二年生の終わり頃のノートだとしよう。

実際、ノートの終わりに近いページには、僕が高校三年生の春休みにアルバイトで通っていた酔虎伝道頓堀本店(現在は存在しない)の「本店六ヶ条」が書き残されている。なぜか五つしか書いてないのだが、当時の社員やアルバイトにとっては懐かしい(しかし僕は残りの一つを思い出せない)ものだろう。

・呼ばれたらハイと返事

・タイムカードは制服着用後

・定刻5分前に持ち場につく

・各階協力して一緒に終わる

・基本販売用語必ず使用

「基本販売用語」というのは、例えば生ビールの中ジョッキを「ナマチュー」と呼んだりする略語のことだ。居酒屋では隠語というのはあまりないので、常連ならお客さんが「ナマチュー3つ」とか注文したりすることもある。それに対して隠語というのは、たとえば百貨店や大型スーパーなどで「洋服売り場、乙」とか意味不明なことをアナウンスしている場合の言葉だ。他にも清算係がトイレへ行くときや、万引きが疑われる挙動不審者の居場所を知らせたり、ふつうは他の客には分からない表現を使う。

それはともかくとして、上記の写真は上がその高校時代のノートで、下がいま僕が書いている古代中国史の読書ノートだ。双方とも同じ縮尺に写真をリサイズして調整してあるから、小学校の頃に友人からアドバイスされて大きな字を書くようになったとは言え、それでも敢えて身構えずに書いていると、こんなに華奢な字を書いていたのだとわかる。昭和時代なら「女の腐ったような」字と言われたのだろう。もちろん、大きくて太く明瞭な字を書くようになったのはコンプレックスというわけでもないし、単にその方が自分でも読みやすいし《まともな記号》として相手にも何かを伝達しやすいと思うからだ。実際、僕の字が小さくて細く薄いので改めたほうがいいとアドバイスした大北君という同級生は書道を嗜んでいたわけでもなければ、彼自身が達筆というわけでもなく、「何を書いてるのか分からん」という理由で言っていたのである。

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