Scribble at 2022-03-15 09:09:13 Last modified: 2022-03-15 09:15:37

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Welcome to the PHP Classes Repository

ふだんは全く見てもいない GMail のアカウント(メーリング・リストやメール・マガジンの subscription 用)を久しぶりに開いていると、懐かしいサイトのメーリング・リストが目に留まった。僕は PHP を使い始めた20年くらい前から、細かい事情は忘れたのだが PEAR が大嫌いで使う気がしなかった。当時の PHP の入門書ですら、必要なければ言及もされないマイナーなライブラリだったのだが、どういうわけか PEAR でライブラリを探すように指示するドキュメントがオンラインにはたくさんあって、PHP についてオンラインで文書を公開している人々と実際に開発業務に携わっている人々との実感に相当な開きがあるという印象を受けた。そして、後から追加するライブラリとしては PHP で書かれたライブラリであるにも関わらず、コマンドラインでの導入手順しか紹介されずに、いまで言えば composer のような〈未熟者専用の誂え道具〉というブラックボックスのようなものを扱わされる違和感があった。

ということで、PEAR に言及するようなオンラインのドキュメントや文書、あるいはインストールして使うときに PEAR のライブラリへ依存するようなアプリケーションは、全て一律に無条件で斥けてきた。もちろん、プロの技術者にとっては、そんなもの大して業務の支障にはならない。簡単に言うと、たとえ WordPress がこの世になくても CMS と同等の目的を果たせるウェブ・アプリケーションを自力で書けるくらいの技術力がない者を、ふつうソフトウェア・エンジニアリングの人間として「PHP の技術者」とは言わないだろう。そして、PHPClasses のようなサイトは自力でアプリケーションを開発するために、よい資料を提供してくれた。

ここで「資料」と書いたのは、このサイトで公開されているライブラリ、あるいは単独でも動くアプリケーションを、そのまま使うわけではなかったからだ。コーディングや設計の参考にしていたわけである。当時は PHP4 から PHP5 へ移行する時期にもかかっていたのだが、いわゆるオブジェクト指向に対応する仕様が乱雑に追加されいたため、設計としても実装としても手探りだった。書籍やウェブ・ページも、その多くはインストールから簡単な文法事項を押さえるていどのありきたりな内容の入門書ばかりが乱造されていて、まったく役に立たなかったわけである。すると、よく code reading と言われるように、コーディングの実例を参考にするのがいちばんであろう。そして PHPClasses は実例が数多く集められた場所だったわけである。いまでこそ GitHub のようなリポジトリ・サービスが普及しているけれど、2005年前後の当時は、アルゴリズムの参考にはできるという理由で、Perl のライブラリ・アーカイブである CPAN のコードすら参考にしていたくらい、PHP のリソースは貧弱だったのだ。

なにせ、PHP4 を使い始めた2003年から PHP5 に移行し始めた2005年にかけては、前職のコンテンツ制作・配信会社へ入社する前の時期にあたり、幾つかのシステム開発専門の派遣会社でもスキル・チェックで「PHP って何ですか? こんなプログラミング言語、聞いたことがない」と質問されるほどだったのだ。当時は、オンラインでプログラムを書くなら Perl か Java が当たり前で、バッチ処理のような大量のデータやファイルを扱うときは C で CGI を書くのも常識的な選択肢の一つだった。Java はともかく、もういまのウェブ・アプリケーションの「エンジニア」を自称する20代の人々で C や Perl でウェブ・アプリケーションを(専門学校の演習とかじゃなく業務として)実装した経験がある人など殆どいまい。

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