Scribble at 2023-01-31 09:25:19 Last modified: 2023-01-31 13:36:15

海外の通販サイトで商品を眺めるようになった。Amazon.com とか Etsy とか、剃刀メーカーや替刃メーカーのサイトとか、あるいは男性用のグルーミング・アイテムを扱う通販サイトである。とは言っても、実際に買い物をした事例は一度しかなく、しかも(現地では)安物の部類になる1本が £5.99 という替刃式の剃刀だ。

今回は日本では手に入らないようなタイプの剃刀であったから、試しに少額の商品から購入してみた。もちろん、海外だけに限らず初めて利用する通販サイトではトラブルに遭う恐れがあるからだ。商品なんて送ってこない業者もあるし、写真とは似ても似つかないインチキ商品(商品で写っている品物ではなく、その品物が写っている写真を送ってくるやつとか)だってある。もちろん、情報セキュリティの実務家だからといって、ありとあらゆるイカサマを見抜けるわけでもないから、初めて接したり情報ましてや金銭をやりとりする相手とは、西川きよし師匠のセリフと同じく「小さなことからコツコツと」始めるのが妥当だろう。

とは言っても、少額の商品を購入するにあたって最大の懸念は、やはり輸送料がかかるということだ。僕が購入した剃刀も、本体価格が日本円で965円であるのに対して、Royal Mail というイギリスの配送事業者で最低限のサービスを使っても、輸送料は£10.99(1,770円)だ。他にも商品によって輸送料は色々とあるが、だいたい剃刀だと2,000円~3,000円ていどはかかる。1本の剃刀が、たとえ900円だろうと20万円だろうと殆ど同じである。したがって、安いものを買うほど輸送料が全体のコストに占める割合は大きくなるのだから、900円の品物を買うのに輸送料が2,000円では嫌だと思う人は多いだろう。意外に海外から購入する通販サイトが(どこの国でもそうだが)利用されていないのは、これが決定的な理由だと思う。毎月、まとめて500万円くらいの買い物をしているような成金のマダムとか FX 小僧とかなら、500万円の時計を送ってもらうのに1万円の航空輸送料金がかかっても大して懸念はないだろうが、世の中で買い物という作業をしている人の大半は、僕のようにアマゾンや楽天で少額の買い物をするのでも躊躇してウイッシュリストへ商品を入れたままの人たちなのだ。

つまりは、Etsy を始めとするサービスの多くは、まさに Etsy が幾つかの国で現地法人を構えていることからも分かるように、やはり特定の商圏が自社の市場として稼げるとなると、現地に法人を置いて、その土地の売り手を増やして「国内」のマーケットを拡大する方がいいという判断なのだろう。日本で殆ど Etsy が利用されていないのは、要するに Etsy の日本法人がなくて日本国内のハンド・メイド事業者が集まってこないからなのである。いくらハンド・メイドの商品には良さがあると言っても、200円のペン1本を送料無料で送ってくるアマゾンとは比較にならない。

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