2018年07月27日に初出の投稿

Last modified: 2018-07-27

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大阪は船場地区に「筋違橋(すじかいばし)」という場所がある。Google Maps では "34°41'23.9 / 135°29'52.3"(北緯34.41度、東経135.29度)とあるが、Google という会社はプロットしている地点の緯度経度すら正しく出力できないバカがコード書いているらしいので、恐らく北東にかなりズレた値だと思う。いくら民生品レベルのサービスとはいえ、最近の Google のサービスはどれもこれも酷い。いずれにしても、そのあたりは昭和30年代頃までは西横堀川という川が流れていたので橋が幾つかあったわけだ。名前が示すとおり、橋は東西にかかっていたのだが、北東方向へ曲がっているために西から東へ渡ると道の南北位置がズレることから付いた名前のようだ。ただし、もともと直進していれば対岸に道があるのかと言えば、そうではない。上記の地図は1950年頃の航空写真だが(国土地理院:the Geospatial Information Authority of Japan. ALL RIGHTS RESERVED)、橋を曲げずに架橋していたとしても、別にそのまま直進できた場所でもない。寧ろ橋を通った対岸で左右に曲がらずに進めるようにしたという設計なのだろう。

大阪の歴史に詳しい方はご承知のとおり、大阪では大阪城を中心にして道の呼び名に「筋」や「通」という字が充てられているので、船場地区では原則として大阪城への行き来をする東西の道に「通」という、「筋」よりもメジャーな道であることを意味する言葉が使われる。いまではすっかり主従が逆転していて、御堂筋や堺筋や天神橋筋の方がメジャーな道になっているが、歴史的には「筋」というのは「通」をつなぐ連絡通路ていどのものだったようだ。それゆえ、大阪の船場地区ではメインストリートの「通」で一つの商圏を形成しており、行政区域が東西に長く伸びているのである。大阪で「本町」と言っても、地下鉄四つ橋線のあたりも本町だし、それこそ本町橋という橋がある産業創造館のあたりも本町なのだ。

そういうわけで、南北にズレている橋が「『筋』違い」の橋と呼ばれるのは、歴史的な薀蓄があればこそ違和感があるのだが、そもそも斜めにすることを「筋交い」と呼んでいた建築用語に照らせば、特に道路のことでもないのだろう。なお、現在は筋違橋があった地点は阪神高速道路の高架下に敷設された駐車場となっていて、駐車場の出入り口付近に橋の石碑が建っている。

僕は自宅から会社まで徒歩で通勤しているので、たまに筋違橋のあたりを歩くことがある。筋違橋の地点を東へ進むと、南には船場センタービルのページで何度か言及している日建設計さんの大阪支社がある(日建設計さんは銀泉横堀ビルというビルに入居しているのだが、なぜか隣には日建第一ビルという自社ビルがある。どうして自社ビルに入らないのだろうか。それとも両方使っているのか)。更に東へ進むと、オロさんというエンタープライズ用途のシステム開発で上場したベンチャーがあったり、更に進むとパソコン用品でおなじみの Elecom さんの本社がある。ここからどんどん東へ進むと、やがて堺筋に突き当たってザ・北浜タワーという超高層マンションへたどりつく。気持ち悪い。(僕は高所恐怖症ではない。そうではなく、上層に色々なリスクがあるのは自明と言っていいからだ。なんでこんなところに何千万も出して住みたいのか、意味が分からない。)

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