2019年10月15日に初出の投稿

Last modified: 2019-10-15

当社の勤怠・工数管理では「Manage OZO」というアプリケーションを採用している。既に退職した元コカ・コーラの子会社にいた人事部長が調べてきたか採択したもので、僕は全く知らない会社だしサービスだし、どういう伝手なのかはよく分からないのだが、O塚商会から勧められたのかもしれない(リースの条件などで折り合えば、バック・オフィスの人材にアプリケーションとしてのパフォーマンスや仕様などを見積もるスキルや知識なんてないからだ。それに、やりたいことが安くできて法令に反していないなら、よほど愛着のあるソフトウェアならともかく、大手のエンタープライズ用パッケージでなくてもいいのである)。

ただ、この OZO だが、恐らく役員の様子では他のものに入れ替える可能性がある。その第一の理由として、データの取り回しや操作が当社のフレックス・タイム制度にうまく沿っていないからだ。余計な UI の操作(工数を登録するまでに確認ボタンを何度押させるつもりだ?)もあるし、部門長が部下の勤務表を承認する手順にしても、承認してから更に「確認」という操作をしないとアラートがずっとメインの画面に蓄積していく。これは、自分が部下の勤務表を正式に承認した後で、部長代理とか、それこそ秘書などが部門長とは別にダブルチェックするような仕組みだろう。いちいち承認した内容を改めて「確認」などという手順を踏むから、会社全体で生産性が低下するのである。

第二に、ブラウザを立ち上げたと同時に打刻するような仕組みがない(全ての UI が JavaScript ベースで「発火」させるしかない)ので、セッションが切れるたびにパスワードを入れなおしていると、セッションが切れる月曜日の朝にギリギリで出勤した人たちのイライラが増えるようだ。もちろん、サラリーマンなんて始業の15分前には出社して打刻するのが当然であり、出社したと同時に仕事を始められる人間など(情報セキュリティのルールを守っている限りは、最低でも OS の起動時間が絶対に必要なので)いない。その15分が無償労働になってブラックだというなら、当社はフレックス・タイム制なので、10時が営業開始時刻だとして9:45に出勤しても、9:50に打刻すれば9:50から働いたことになるので、17:50に退出しても8時間労働として計算するから心配はないだろう(なお、フレックス・タイムでもコア・タイムの開始時刻である10時を越えると遅刻になる。フレックスなのに始業時刻の話をしているのは、当社は営業開始時刻とコア・タイムの開始時刻が同じだからだ)。いずれにしても、自分がロボットのように定刻から仕事をしている(仕事ができる)かのような妄想を根拠に、こういう海外でも当たり前にしているような習慣(海外でも定刻の前に出勤してコーヒーを飲んだり仕事を準備をするものだ。つまり、それを仕事と見做して工数に勘定するかどうかの話であって、準備もロクにできない分際で定刻ギリギリに出勤したいなどという私利私欲の是非を話しているわけではないのだ。そんなもの、答えは自明である)を簡単に否定しても、自分たちの凡庸さを結果として強調するだけだ。しかし、そうであっても出勤したと同時にすぐ打刻できる方が良いのは確かだから、現状の仕様は不満が多いと思う。

そして第三に、サーバを社内に置いているという事情がある。やはり昨今はバック・オフィス用のアプリケーションでも積極的にクラウド・サービスを利用していて、IaaS だろうと SaaS だろうと自社に「コンピュータ」とか「ネットワーク」とか「ソフトウェア」に関わる技術者というのを抱えたくない(というか、僕のように薄給の代わりに暇つぶしで電通案件レベルの成果を上げられるような人材でもなければ人が来ないだろう)。よって、いつまでも自社のサーバ室にラックを置いて何台もサーバをメンテナンスし続けるというのは、必要なときに委託先からすぐ人が来てくれるとは限らないし、そういう人たちはサーバのメンテナンスをしていないあいだにナショナル・クライアント案件のシステム開発やサーバ構築を暇つぶしでやってくれるわけでもないし、プロのデザイナーとして会社案内や名刺を作成したり、導入したい機器やサービスの技術的な検査をやってくれるわけでもなく、ましてやプライバシーマークと ISMS の JIS 運用ができるわけでもない。加えて会社の役職として財務諸表を眺めるなど、誰がやるというのか。そういう人材が別にいなくても会社の事業は維持できるが、それでも実際にそれら全てを上場企業の業務レベルとしてやれる人材など、日本に片手の指で足りるくらいしかいまい。つまり、仮に年収2,000万円ていどの待遇を用意しても、そもそも僕と同じ範囲の管掌を担当できる人材がいないのであって、結局は数人を雇わざるをえない。そういうことは、恐らく僕が何年か後に退職すれば(それまで会社があったとして)、明らかに人件費を圧迫するだろう。僕が担っている管掌のうち一つだけを任せても、いま僕が得ている年収と同額ていどを出しても、およそ電通案件に対応できる(つまりプログラマーやコーダとしてだけでなく、見積もりや企画書をアーキテクトとして提出したり、既存のシステムをセキュリティやパフォーマンスという観点で検査したり、個人情報の安全な取り扱いや本人に同意してもらうための文書を法的に問題のない内容で書けるとか)人材など採用するのは困難だろうと思う。であれば、やはり可能な限り採用にあたっての与件を緩和しなくてはいけないので、どんどん技術や知識や経験が必要な業務をアウトソースしたり自動化して、その運用だけを他社に任せる方がいいだろう。僕が現在でも取締役をやっていたとしても、同じように判断すると思う。僕のような人材が退職したとたんに、パソコンが故障した、プライバシーマークの監査だ、会社案内の版下をデザイン修正しろ、コーポレート・サイトのサーバで Let's Encrypt のプロセスが証明書の更新時にコケた、受託案件のサーバを監視する Zabbix からアラートが出た、ドメインの CSR ってなんだ、ファイルサーバにファイルをコピーできなくなっている(容量の監視を誰がするのか)・・・もちろん、僕のような天才がいなくても誰かはこういうことをするのだろう。しかし、外部に委託するとしてそのコストは? 既存の社員が作業をあてがわれることにより、本人にどういう責任がかかり、本人のモチベーションが上がるのか下がるのか。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook