2019年10月20日に初出の投稿

Last modified: 2019-10-20

もちろん個人の収入額とか納税額はプライバシーなので、無断に公表すると個人情報保護法違反である。同じような違反事例として、東大や京大合格者の名前を勝手に掲載していた『サンデー毎日』とかいう雑誌もあった(いまもこんな雑誌があるのかどうか知らないし興味もないが)。

ただ、納税額を公表しなくなって一つだけ困ったことがあるのは、既にみなさんも Twitter で見たことがあると思うけど、「年商100億円に達した俺が、社会貢献としてみんなに100万円ずつ差し上げます云々」みたいなフレーズでわざわざフォロワーを増やしに広告を打ってるような連中(簡単に言うと個人情報を狙ってる詐欺師だが)が続々と出てきたのに、一般人には裏が取れないということである。当たり前だが、別に彼らは個人として莫大な報酬を手にしているとは言っていない。年商100億円の企業でも CEO の報酬が1円という可能性は(ジョブズの事例を見てもわかるように)あるからだ。しかし、これはいまや誰も裏が取れない話である。少なくとも事業者として年商が100億円であれば、それなりの法人税を納めているだろうから、未上場の会社でも裏をとることはできると思うかもしれないが、それも無理だ。なぜなら、日本の会社というのは7割くらいが法人税を払っていないからである。

何も胡散臭い株式操作をやっているソフトバンクだけではなく、大半の日本の中小企業は色々と計算書や給与の操作をして、わざと赤字決算にして法人税から逃れている。たとえば、利益をそっくり役員報酬として支払って会社の利益をゼロにしてしまえば、法人税を納めなくてよい。このような現状を打開するには、こういう中小企業のメインバンクである都市銀行や地方銀行が、赤字の企業へは絶対に新規貸し付けもロールオーバーもしないように規制するしかない。日本のような社会主義国家であれば可能な筈だが、これは大企業にも影響があるので財界からは猛反発を受ける。当然、自民党議員だけでなく野党議員の後ろ盾になっている財界や労働組合への影響があるため、だれもこんな法律を起案しようとしない。よって、たとえば池田信夫君をはじめとする口先リバタリアンが言うような、非生産的な中小企業を壊滅させて大企業に人材を集約すればいいなんて提案は、日本の政治を知っていれば実現するわけがない絵空事である。

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