2019年03月02日に初出の投稿

Last modified: 2019-03-02

ただしエリア内の当該チェーン全体の売上は増加するので、本部の利益は増える。本部と個店の利益が相反する悩ましい戦略であるが、個々の店舗の売上と利益が縮小するばかりか、地域の人手不足を激化させる要因となっている可能性すらある。

24時間営業問題で「パンドラの箱」を開けたセブン コンビニは変わるのか? 変われるのか?

要するに、こういう「元締めだけが儲かる仕組み」こそが、コンビニエンス・ストアに限らず小売業界のビジネスモデルなわけで、こういうことをしないと本当にサービスや店舗が維持できないのかということは問われていい。そもそも地域ごとの社会政策という観点で言えば、その地域でどうしても夜間に働いていたり帰宅するような人が買い物できる店を開けておくという要件を満たすだけなら、大型スーパーが1軒だけ開いてるくらいでもいいわけで、100 m ごとにコンビニエンス・ストアが開いてなきゃいけない必要なんて全くないんだよね。

そして、そんなことで GDP やら何やらという数字が大きくなったところで、しょせんは数字にすぎない。日本人の多くはいまだに田吾作思考で、数字だけ欧米と並んだくらいで先進国ヅラしているわけだけど、その数字が弾き出された根拠や内実というものを考えないので、リバタリアンのような口先だけの効率や切捨てで数字だけ大きくすればハッピーだという欠陥経済思想を口真似する、IT 業界の起業家や投資家によくいる「算数バカ」が増える。ただの計算だけで国や人が豊かになったり貧しくなると思っている、自分たちでは頻繁に「理系」アピールしてるみたいだけど、実は数学(そして数理モデルの基礎が妥当であるかどうかは自足的な基準だけで判断できるわけではなく、モデルどうしが同型であるかどうかを判断するには、どう考えても社会科学と人文学の素養が必要である)のセンスが全くない手合いだ。

もちろん、地域で1軒だけ大型スーパーが開いていればいいだろうと断定して、コンビニエンス・ストアが長時間の営業を続けることを「禁止しろ」と言っているわけではない。このようなことは、特定業界の店舗を半径数百メートルの範囲に一つの出店に制限するといった、人為的で、実は何の社会科学的・集団生物学的な根拠も無い、経済学者とやらが導く愚かな「算数」による管理手法では解決しない。そうではなく、僕はフランチャイズ方式の契約実務やビジネスモデルには再考の余地があると思うし、このような方式を放置して業容が拡大さえすればよしとする、かなり浅薄な経済思想・法思想や財務会計理論にもとづく現行制度を改めた方がよいだろうと思う。

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