2018年04月18日に初出の投稿

Last modified: 2018-04-18

最近、自宅の近くでマンションの建設が立て続けに進行していて、しかもその多くが30階以上はあるタワーマンションだ。建築基準法では、おおよそ17階あれば「超高層マンション(タワーマンション)」と呼ぶそうだが、いまどき17階建てのマンションなんて珍しくもないし「超高層」などと恥ずかしくて言えるものでもなかろう。だが、30階以上あれば、さすがに最上階を見上げるのが辛い高さなので、このくらいならタワーマンションと呼ぶに値する。このところ大阪市内では、こういう高層のマンションの建設が盛んである。つい先日も、本町駅を降りて地上に上がる17番出口の前に「ブランズタワー御堂筋本町」という、中国の仏塔みたいなデザインのイカツいビルが建った。上階はマンションのようだが、1階は駐車場のエレベーターとグランドホールのようなものしかないという、かなり贅沢な作りのビルである。

だが、そうしてマンションを建てれば建てるほど周辺の住環境は変わってしまい、そして1億ていどの住宅ローンを組めるなら誰でも住めるので、当然ながら民度や治安は人が集まれば集まるほど下がってゆくのが道理だ。僕らが若い頃にスーパーファミコンで流行した「シムシティ」という単純なシミュレーション・ゲームでも、高層建築の住宅を密集させすぎると、人々のモラルは低下して、すぐ周りがスラム街になり、住宅地そのものの犯罪率も上昇してしまう。

凡人というものは、自分たちが集団でやることの帰結を推論しないものなので、個々にやっているなら影響は限定的だが、集まって何事かを一斉にやれば逆効果になりうるという推論もしないし、そういう逆効果が長期的な損害であれば気にしないという刹那的な思考の人々も多いので、10年くらい過ごして住みにくくなったら引っ越せばいいという気楽な人も多い。僕らの親の世代で「なんとかニュータウン」のような分譲地に大挙して移り住んだ世代はともかく、それ以降の世代ともなると子供の成長や自分たちの年収などに合わせて引っ越す世帯が増えているため、周辺の環境の変化を自分たちが引き起こしているということに無頓着な、イナゴのような連中が多くなる。特に、僕らの世代でも30代くらいまではワンルームマンションを何度も引っ越す人が多いので、どこかに長く住むという前提で周辺地域での立ち居振る舞いに配慮するという習慣が消失してしまっている人々がいて、そういう人たちがあろうことか人の親になってしまっているわけだ。これでは、悪循環である。

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