2018年08月21日に初出の投稿

Last modified: 2018-08-21

当サイトでは、(既存の and-or tree などのアイデアを応用して)ブルース・シュナイアーが考案した "attack trees" の記事を書こうと思って書き始めているのだが、どうやら(暗号通貨のブームとは関係なく)ゼロ知識証明のページも書いた方がいいのだろう思った。商売柄、毎年のように「ゼロ知識証明」とか「秘密分散法」のページを検索しているのだが、どうも日本人の解説ページは分かってる人が書いていようと素人が書いていようと、走り書きていどの底の浅いコンテンツしかない。これでは、学術論文の冒頭に書かれたイントロを読んでいるのと変わらない。結局、こういう話題について最低でも新書が1冊くらい書ける文章量のコンテンツを誰も作れないというのは、時間がないというよりも(自分のウェブページなら幾らでも後から更新して文章を追加できる。当サイトのように)、要するにゼロ知識証明を自分で応用したり、実際に動くプログラムを書いたことすらないのだろう。だから、話が広がっていかない。暗号論や代数系の教科書に出ていることを繰り返しているだけになってしまうのだ。

正直、ここ数年は海外のブログ記事ですら reddit や Hacker News を見ていると質が落ちてきていると感じるのだが、日本人の技術者が書くブログ記事やウェブページは、もちろん IPUSIRON さんのように例外もあるが、平均して質も量も中国人やアメリカ人の学生が書くものに比べてプロが書いたものですら異様と言いうるほど劣っている。『日経ソフトウェア』や『Software Design』のコタツ記事以下だ。

僕は、これはマスコミを含めた「わかりやすい教」とも言える愚行が一因になっていると思う。知らないことを教えるのはいいとしても、技術や学問というものは、先行して学んだり会得した人間が後から学ぶ人間に対して qualification のハードルを下げてしまうと、最初は個々の企業、そして最後は業界全体の質が落ちて、バカがもっとバカを採用して教育するという悪循環に陥る可能性がある。もちろん、だからといって無闇に厳しくしろと言っているわけではないし、田吾作が好きな精神論とは何の関係もなく、若者と年寄りという世代論でもない。後から学ぶ人間に下駄を履かせなければ脱落する人が多すぎて人材不足に陥るというのであれば、アメリカは移民や留学生がいくらでもいるし、中国はもともと人が多い。日本はそういうところで弱さを抱えていると言えるが、この程度の簡単な事実が分かっているなら、幾らでも対策は取れるし、こんなことは行政や立法に依存しなくても個々の企業が対策を取れることなのだ。

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