2018年09月05日に初出の投稿

Last modified: 2018-09-05

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このたびの台風21号は久しぶりに周囲が大騒ぎしていて、いつになく大きな脅威であることをうかがわせた。上の写真は NHK 大阪放送局の前にある交差点だが、信号が故障したか停電したかで動いておらず、警察官が交差点の中央で手旗信号の交通整理をしていた。

思うに、ここ30年くらいのあいだ、日本では台風なんて大して脅威でもなんでもないという理解が広がっていて、いくらやってきても雨や風が少しばかり強くなるていどのことでしかなく、幼稚園や小学校は休みになるかもしれないが、会社を休業するなんて論外というところも多かった。いまどき台風で被害に遭う建造物なんて、田舎の古民家か都会の安アパートくらいのものであり、鉄筋あるいは近代的な建築の木造住宅が台風でどうにかなると考える人は今でも少ないだろう。よって、台風で亡くなる方というのは、よくあるように「堤防を見に行った」だの「海の様子を見に行った」だの、用水路はどうだ、川はどうだ、畑はどうだという理由で亡くなった人々だけであると思われていた(そういえば、台風の日にサーフィンや海釣りにチャレンジして遺体すら発見できなくなる若者もいた)。なので、都会で生活している限りは台風くらいで地下鉄が止まるとは思っていなかったし、当社も昨日は台風が理由で大阪本社での営業を自宅待機に切り替えたのだが、これは僕が当社に入ってから12年のあいだで初めてのことだ。

しかし、状況は常に変わってゆく。30年前なら、台風なんて、と家の中で気楽に構えていられたかもしれないが、その家が30年も経つと老朽化して風雨に耐えられなくなるのだ。結局のところ、高度成長期の徹夜自慢を繰り返す愚かな老人たちにしても同じことだと思うが、そのときは問題がなかったというだけで、常に問題がないとか、将来も問題が起きないだろうとは言えないのである。たいていの脆弱性には(いや、脅威すら)前もって気づかないのだと思っておいた方がいいのだろう。(そういえば前段の最後に述べたことは、induction に関わる(メタ)推論と言えるのだろう。いつか induction はしっかりサーベイしてまとめてみたい。)

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