2018年12月20日に初出の投稿

Last modified: 2018-12-20

The Crypto Anarchist Manifesto

ティモシー・メイさんが亡くなったとのことで、彼の「暗号アナーキズム宣言」へリンクしておく。機会があれば訳しておきたいが、たぶんそれは Osaka Observatory の方へ掲載することになるだろう。それにしても、この世代の人々の業績も情報セキュリティという分野なり産業の記録として丁寧に残して研究を積み上げておくだけの価値があると思うのだけれど、残念ながら日本で「情報セキュリティ史」を専攻する人は殆どいない。いや、ティモシーやディフィーらと同じ世代の「重鎮」なら村井さんを始めとしてたくさんいるのだろうが、彼らの書く文章は当事者としての証言なり思い出話と言うべきものであって、一次資料にはなりうるが学術成果としての客観性がない。彼らがどれほど「あの頃は慶応のどこそこで徹夜で何々をしたものだ」と言ったところで、そんな『プロフェッショナル 仕事の流儀』的な武勇伝は『日経なんとかかんとか』かブログにでも書いておればよい。

更には、これだけ情報という概念やフロリディを始めとする人々の業績が積み上がってきているにもかかわらず、国内には情報セキュリティや情報の哲学を専攻するプロパーすら殆どいない。学部や修士の提出論文を一覧として掲載している京大のページなどでは、稀に情報セキュリティや暗号論を題材にしている人物を見かけるが、国内では工学部にも理学部にも、そして当然ながら文学部にも情報科学や情報工学やセキュリティに関する基礎概念や原理にかかわるテーマを教える講座はないし、もちろん対応する教員もいない。これでは、コンピュータ・サイエンスに関連する大学の学部や学科と言えど、その大半がやっていることは専門学校で教えていることと大差ない、Ubuntu のインストールだの Vue.js の使い方だの Google Analytics の使い方だのという小手先のテクニックに終わる。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook