2018年12月29日に初出の投稿

Last modified: 2018-12-29

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昨日は年末で給料日だったから、昼時はジュンク堂の大阪本店へ行ってみたし、帰りがけにはジュンク堂の天満橋店にも立ち寄って、人事の棚にある「目標管理」の本を色々と物色してみた。最近は、Google などで採用された OKR(Objectives and Key Results)に関する本、そして一昨年あたりから再び流行している PDCA、特に超短期のサイクルを志向する本がたくさん出ているようだ。しかし、MBO に関する本は1冊か2冊ほどあればいい方だし、OGSM に至っては書名に使われている事例が一つもない。実際、昨日も書いたように、Amazon.com(アメリカのアマゾン)で検索してみても、OGSM なんて経営学者どころか経営コンサルやメンターすら一冊の本を書いて解説したり分析したりするほどの手間をかけるに値しない代物なのだ。(上記のように、"OGSM" でビジネス書を検索しても、どこの馬の骨とも知れない人間が「出版」している電子書籍が見つかるだけだ。)

その理由は、英語版の Wikipedia を読めばおおよそ想像できるが、OGSM は数多くの企業で採用されたと説明されているものの、実際には P&G での成果だけが突出して言及されるだけであって、それ以外の多くの企業でのケース・スタディは全く明らかになっていない。要するに事実上は P&G の社内メソッドとして知られているにすぎず、具体的な内容は実は誰も知らないのである。P&G の元社長であったペッパーさんが自著で言及したから、アジアの僻地で人事や経営のブログ記事を書いている小僧でもペッパーさんの本をネタにして役にも立たない説明くらいは書けるが、それだけのことなのだ。

すると、OGSM について少しでもまともな知識を得て実際にわれわれ企業の役職者が活用しようとするなら、アマゾンなんてしょせんは1990年代以前の本については、古本を除けば全くの役立たずなので、図書館で調べるしかないだろう。あるいは経営学関連の学術誌のバックナンバーを検索することだ(J-Stage で国内の論文を検索したが、全くヒットしない<笑)。ただ、海外の経営コンサルタントがブログ記事などに書いている内容をざっと見た印象で言うと、はっきり言って(というか、OKR のような最近の手法にも言えると思うが)企業としての余力だとか業容に強く依存していると思う。従業員が何万人といて資本金が何千億円という東証一部の企業でもなければ、殆どの事業者では使いものにならないか、あるいは中小零細企業なら経営者と従業員が直に話していることと変わらないようなことだと言える。つまり、このような手法は「ガバナンス」というものが切実な課題になっていて、経営陣から末端の従業員まで意志の疎通を計ったり方針を現場の業務へ実装することが困難な規模の会社でしか、わざわざ取り組む必要がないものなのだ。

なので、当社では顧問にすすめられて MBO や OGSM を採用するようだし、大企業の役職研修みたいなものもやっておいて損はないが、ごく個人的な意見としては、それを40人ていどの業容の会社で軽々に経営へ実装するのは無茶だし無益だと思う。そんなことよりも、もっと基本的なことを10年ほどの経緯に照らして吟味しなおす方がいいだろう。たとえば、一口に個人事業主(自社サービスサイト)や広告代理店(受託制作サービス)への「営業」と言っても、これまでにどういうことをどういう人がどれくらいやって、どういう成果があったのか。いまでこそ Salesforce のような SFA を使って記録はしているのだろうが、分析はどうしているのか。なんで毎月のように「できませんでした」とか「次はがんばります」みたいな話しかできないのかという話である。

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