2017年05月22日に初出の投稿

Last modified: 2017-05-22

会社では、技術系の役職者として昨年から社内研修を担当しています。特に IT リテラシーの足りない営業職の人たちを対象として、「IT パスポート試験」に相当する知識を身に着けてもらうというのが狙いで、実際に試験も受けてもらうことになっています。二週間に一回という頻度なので、だいたい二回で1章ずつ進めてやっと今回の「経営戦略」というテーマで最終回となりました。そして、この「経営戦略」の研修資料を作っていたのですが・・・実につまらないので、今回はスライドを数枚で終えたいと思っています。

この経営戦略の章は、資料作りの基にしている『栢木先生のITパスポート教室』(第8版、栢木 厚/著、技術評論社、2016)をご覧いただける方はお分かりのように、324ページから368ページにかけて、いわゆる「フレームワーク」と呼ばれる経営戦略のキーワードやパターンがごった煮の状態で詰め込まれています。これは暗記物の試験テキストとしては仕方のないことだろうとは思いますが、いかにもキーワードを言葉として覚えることだけが目的となっていて、こんなことを覚えているだけなら、口先三寸の凡庸な営業マンやマーケティング担当者や SE を作るだけでしょう。そのていどでも頭数が多ければ人海戦術の営業力になる大企業やゼネコンならともかく、個々の従業員に高いパフォーマンスが求められるベンチャーでは、もちろん営業手法として口先だけで相手をたぶらかすというのは「あり」ですが、本当に口先だけの知識しかない人が増えると、それだけパフォーマンスに大きな影響が出て危険です。

もちろん、営業手法について細かい内容やその是非は分かりませんが、何の経験もなしに言っているわけでもありません。これは、いまの会社でも前職でも社内で口にしたことはありませんが(履歴書にも書いていません)、僕は高校を出て大学に入るまでのあいだ、東京では『月刊CDay』という雑誌の編集者もやっていましたが、それ以外にも建材メーカーである「新興産業」という会社で営業をやっていたことがあります。もう倒産した会社ですが、小林亞聖を CM キャラクターに起用した「さいでりあ」という金属サイディング(外壁材)を販売していて、それこそ飛び込み専門の営業担当者なら誰でも聞かされるであろう、「音の出る靴を履くな」といったノウハウを教わったり、営業拠点ごとに色々と手続きやプロトコルの違いはありますが、怪しい「営業手法」も使っていました。そのようなわけで、それなりに裏の事情を含めて、営業の経験は僅かでもありますから、全く何の経験もない技術者や管理系の人間が適当に言っているわけではありません。

いずれにしても、テキストでキーワードを覚えるのは試験対策としては仕方のないことですが(どうも会社側は、試験を受けさせることが彼らに勉強させるための強制力になると思っているようです)、僕がわざわざ時間を使って用意するわけなので、口先だけの無内容な研修で終えたくはありません。今回は30分ていどの時間を使って経営戦略とかフレームワークなるものが、どうして必要だと言われるようになってきたのかを説明して、あとはこれまでの復習をしておきたいと思います。そして、こうした経営戦略やフレームワークやマネジメントの個々のテーマについては、勉強会を開くなりして丁寧に習得しておけばいいわけです。試験はあくまでも一つの目安であって、厳しいことを言えば、試験に合格しても60%くらいを正答した証明にすぎず、ITパスポート試験ていどの素養があるくらいで IT 企業のビジネスマンを名乗れると思ってもらっては困ります。

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