2018年11月29日に初出の投稿

Last modified: 2018-11-29

Systems Analysis を調べていて Donella H. Meadows の本がいまだに新刊として翻訳されていることを知った。古典的な業績としては分かるんだけど、この人の The Limits to Growth なんて、いまや古本ですら殆ど出回っていないくらいの評価しかされていないという事実は知っておいた方がいいと思う。日本人は「システム」という言葉を操る著作には弱いらしいが、しょせん日本で言えば堺屋太一くらいの人であって、社会科学としての厳密な評価には値しない。

日本の読者の多くが子供じみた全能感を、この手の「システム」本とか雑な文明論とかに求めがちなのは分かる。何度も書くけど、あの情報工学おじさんとか苫米地なにがしとかモギケンの本なんかは都内の文化田吾作どものグランドセオリー・コンプレックスというか、要するに大局的なものの見方ができないくせに読書だけで何か達成できると夢想する日本陸軍的な知性の持ち主の大好物なんだけど、ゲーム理論の教科書でも読むほうが絶対に有益だ。日本陸軍的とか書いても分かりにくいだろうから、別の事例を紹介しておくと、『プレジデント』の戦国武将記事や「戦略」ネタを愛読して神の視点を持ったと思い込んでる上場企業の三流管理職とか、毎年のように出てくる「今世紀の『資本論』」を読み漁っては、時流をつかんだなどと勘違いしてマクロ経済学の勉強を1ページたりともしないで済ませてるような、読書家と呼ばれる暇人どものことだ。こんな連中の読書など、天下国家どころか自分の家族ですら 1mm も幸福にはしない。

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