2019年06月06日に初出の投稿

Last modified: 2019-06-06

1. 令和2年度に予定されているマイナンバーカードを活用した自治体ポイントによる消費活性化策については、その基本的な制度設計を具体化し、広報をしていきます。そして、マイナンバーカードを活用し、キャッシュレスでの買い物が可能なお店を増やすための周知や、読み取り端末などの整備を進めていきます。

2. 令和3年3月から開始する予定のマイナンバーカードの健康保険証としての利用に向け、まずは、全国の病院や薬局などが出来る限り早期かつ円滑に対応できるよう、令和4年度中に概ね全ての病院等での導入を目指します。そのため、具体的な計画を、本年8月を目途に作成・公表します。そして、病院等におけるマイナンバーカードのICチップの読み取り端末やシステムなどが早期に整備できるよう、支援を行っていきます。また、令和4年度末までのスケジュールも含めて、公的医療保険の保険者(健保組合など)ごとに、被保険者のカード取得を進めるための方策を、本年8月を目途に公表します。国家公務員や地方公務員等については、カード取得の平準化などを図るため、本年度中にカードの取得を進めます。

3. 安心安全で利便性の高いデジタル社会を出来る限り早期に実現する観点から、令和4年度中にほとんどの住民がマイナンバーカードを保有していることを想定し、国はそのための具体的な計画を、本年8月を目途に作成・公表します。そのため、各市町村に対しては、国民の皆様にカードを円滑に交付していく計画の策定をお願いするとともに、国は各市町村に対して必要な財政支援を行います。

マイナンバーのメールマガジンが来ていて、カードの普及を促すために上記のようなことをやっていくらしい。

まず 1. については、行政機関が発行するポイントで買い物すると言っても対応するリテイラーがなければ普及などしない。それに、特定のリテイラーだけが対応機器や管理体制を備えていたら、実質的にはその事業者への利益誘導みたいになってしまう。通貨の利点は、取引する双方が無条件に交換価値として許容し使える点にあり、それをぜんぜん満たしていないポイントなんてものは、事業者が自社のサービスで利用するために発行するようなもの(レンタルサーバ事業者が《財布》代わりにポイントを貯めておけるようにしたり、交通機関がチャージできる媒体を提供したり)を除けば、ポイントの互換性を確保しないかぎり普及はしないだろう。それに加えて、行政機関の情報セキュリティがそんなに信用できるものなのかという問題もあるし、買い物の履歴を本当に行政が把握できない(技術的にも法的にも)仕組みになっているのかどうかも不明だ。

2. は、保険証として使うことを視野に入れたという報道があったため、想定していたものではある。そもそも番号制度自体が年金制度や保険制度との連携を考えて導入されたものなのだから、このような取り組みは当然とも言える。

そして 3. だが、あと三年で「ほとんどの住民がマイナンバーカードを保有していることを想定」とか、何の根拠があってそんなことを想定するのか理解不能だ(カードの取得・運用は国民の義務ではないし、カードがなくても著しい不便がなく生活できることが当然である)。一定の効用があって便利であることは認めるとしても、人というものは一つの価値観だけで全員が同じオプションを選ぶものではない。それこそセキュリティに不安がある人はカードを持たないという選択をしてもいいし、それでも大きな支障がないようにするのが望ましい。カードをつくって使うかどうかなんて、国民の義務でも権利でもないわけなのだし、そんなことに大半の国民がコミットするなんて想定をして政策を考えるのは、まったくもって学部生のレベルにすら及ばないスタンスだ。あるいは、またぞろ官僚組織の陋習として、最初に大風呂敷を広げないといけない慣行でもあるのだろうか。(たとえば現実的かつ実現可能な目標を置いて実現してしまうと、次年度に予算を割いてもらえないとか。)

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook