2017年05月30日に初出の投稿

Last modified: 2017-05-30

匿名オンライン調査による論文というトンデモ研究に頼る反ワクチン活動

啓発的な内容なのだが、どうも文章表現が誤解を招くと思うので、幾つか指摘したい。

まず冒頭の「確認しておきます」という表現は、学術研究者や社会派の評論家やジャーナリストがよく使うもので、30年ほど前は浅田彰さんらがよく使っていて、ややペダンティックな趣のある言葉遣いに感じられた。ここでは、先行する「ワクチンは自閉症と何の関係もないこと」という主張を、学術的には殆ど疑問の余地がない結論として主張する意図があるに違いない。つまり小野昌弘さんにしてみれば、これは学術的には疑う余地などない結論であって、これを覆す証拠も論証も存在しないと強く言いたいのだろうが、実は多くの人にとっては非常に軽い受け取られ方をされてしまう。なぜなら「確認しておく」とは、正しいかどうか分からない言語表現とか書き物に、ひとまず目を通すというていどの意味にも取れるからだ。ここでは、このような表現よりも、「そして、その証拠はなく、ワクチンが自閉症と何の関係もないことは医学の常識です」くらいが適当だろう(もちろん、本当にそうなのかどうか、僕は検証していない)。

次に、小野さんが取り上げている自称「研究者」が書いた論文は、簡単に言うと "predatory journal" と呼ばれる類の、お金さえ払えば査読なしで論文が掲載されるような、敢えて言うと悪質な雑誌(例の、割烹着を羽織って実験していたらしい人物の一件から、これらの出版活動をアカデミズムに対する威勢のいい英雄的反逆だと見做す人もいますが、既存の権威ある雑誌の査読で弾かれる気の毒な「隠れた天才」や「学界に虐げられた有能な人物」がいたとしても、こんなもので彼らを救ったり保存できる可能性は殆どない)を紹介している箇所も、かなり説明が不正確で論旨が伝わり難いと思う(そもそも、小野さんの記事はタイプミスが散見されるので、かなり急いで作成したように思えるが、そんなことは言い訳にならない。よほど自分がタイプミスをしがちだと思うなら、ニュアンスを変えてしまうほどの修正をしないように設定して、日かった。しかし、それを伝えるためにインパクトのないレトリックを前半に使っていては、批判する効果が失われてしまう。

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