2019年04月28日に初出の投稿

Last modified: 2019-04-28

添付画像

昨日は、実家へ行く前に四天王寺で開催されている古本市へ立ち寄ってきた。日差しは暖かいものの、風が強くて冷たいため、テントの中で動かずに本を眺めるのが冷えると感じるほどで、しかもたまに局所的な通り雨(狐の嫁入り)もあった。着いてから1時間半くらい眺めてから付近で昼食にしようということで、連れ合いと別れて色々と物色していたのだが、連れ合いは外で立っているのが寒くて休憩室の中に30分ほどいたらしい。

まずは13時頃まで半分くらいの範囲を眺めてから、いったん四天王寺から出て食事することとした。正午前に通りかかったときは大勢の順番待ちになっていたのだが、『虹の仏』というカレー屋が空いていたので入れたのは良かった。ややカレーが冷めていたので連れは残念だと言っていたが、僕は逆にインデアンカレーでも福島上等カレーでも、ルーやご飯が熱いのは敵わないので、それなりに食べやすい温度の方がありがたい。

それにしても、これまでに大阪市内で何箇所かのキーマカレーやスパイスカレーといった、何種類も載ってるトッピングを混ぜるカレーを食べたのだが、『虹の仏』のカレーが最も食べやすくて辛いのがいい。他の何箇所かで食べた手が込んでます系のカレーは、トッピングのピクルスや豆の甘さが強すぎて、カレーとしての刺激が壊れてしまっている。それに、いかにもヘルシー志向というコンセプトのカレーも何種類かは食べたのだが、そもそもカレーとしてそれほどおいしいとは思えないのだ。物珍しさで色々な店を巡って食べてきたし、中には感心させられるカレーや店もあるが、昼食代に毎日 1,000 円出すというなら、インデアンカレーや福島上等カレーでいいと思ってしまうし、別にこんなもんのどっちを食べたからどれくらい長生きするとか関係ないだろう。カレーそのものの健康リスクを無視するなら、美味いと思える方を食べるメンタルの健康を保つ方がいいに決まっている。

そして昼食の後も15時過ぎまで古本を見て回ってから休憩室で通り雨が過ぎるのを待って、実家へ足を向けた。今回は『コーポレート・ファイナンス(上・下)』を安く手に入れた。そして2000年代以降の『考古学ジャーナル』がたくさん置いてあったので、2014年の「終末期古墳」と「馬」を特集した二冊を手に入れた。考古学では、他の店舗で芹沢長介の本を見かけたが、意外と高いし、僕は専門に勉強していたのが(『はじめ人間ギャートルズ』を好きで観ていた割には、もう少し後の時代になる)弥生~古墳時代なので、自分が知ってる古い知識に照らしてでも、それほど詳しくは当否が分からないので、今回は手に入れなかった。

それにしても、相変わらずのことだが訪れている人の大半が高齢者で、若い人はたいていがアジア圏の観光客だった。もちろん、もともと若者が寺へ頻繁に足を運ぶ理由も生活習慣もない。これは明治の廃仏毀釈などがあった事情もあるからか、寺は神社とは違って「開門・閉門」があって、いつでも誰でも出入りできるものではない場所だから、若い人が気楽に入る場所ではなくなったという事情もあろう。いまでは寺というのは16時頃に閉門してしまうので、子供が学校から帰ってくる時間帯に、寺というのは《門が閉じられているところ》なのだ。したがって、神社はともかく寺で子供の頃に遊んだ人というのがぜんぜんいないのである。

しかし、寺に普段から出入りする習慣があれば古本市にも立ち寄るかと言えば、もちろんそんな簡単な話でもなかろう。昨今はほしいときにアマゾンで注文すればいいのだから、年に二回しか買うチャンスが無い、しかも欲しい本が置いてあるのかどうかも分からない場所へ出かける人々というのは、もういまでは本を読む必要がある人どころか、古書が好きで読む人ですらなく、単に古本市というもののイベント性(知らない本との偶然の出合いとか、手が出なかった本が安く手に入る掘り出し物への期待とか)に魅力を感じるファンだけなのだ。さすがにそれでは先細りするのも無理は無い。置いてある本は売れ残りも含めてどんどん古くなっていくのに、それを買いそうな人は、はっきり言うとどんどん死んでゆくのであり、年を追うごとにミスマッチが酷くなっていくのである。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Twitter Facebook