2017年06月02日に初出の投稿

Last modified: 2017-06-02

経営学者の議論やビジネス本を読むときに必ず注意しなくてはならないのは、彼らの議論がたやすくハロー効果や生存バイアスのような錯覚や偏見で歪む傾向があるということです。彼らは、最近では率先して「クリティカル・シンキング」を始めとする思考の手順やテクニックを書いていますが、実際には彼らこそが、批判的な吟味の対象となるべき如何わしい議論を繰り広げている張本人である可能性が高いわけです。

たとえば、ハロー効果は、別の言い方をすれば「結果論」とも言えます。成功した企業を集めて、それらに共通する特徴を列挙して「成功のための条件」といったタイトルの本を書くのは、中学生にでもできることです(しばしば『Good to Great(『ビジョナリーカンパニー2』)がその典型だと言われたりしますが)。彼ら経営学者や経営コンサルタントによる著作が、一介のサラリーマンの書いているブログ記事よりも高く評価されて書籍として出版してもらえるのは、単に彼らが大企業の経営者とコネがあり、著書の中でつまらないエピソードを書くだけの逸話を経験しているからにすぎず(そういう些末で個人的なエピソードを何千と経験していようと、学術的には何の根拠にもなりません)、経営学として一介のサラリーマンを超える見識があるからではないという可能性があります。

そして、アメリカの経営コンサルタントの多くは、大企業の(特に悩める)経営者と交友をもつ機会が日の小さな「箱」から脱出する方法』でお馴染みのアーヴィンジャー・インスティチュートのように、あからさまにキリスト教系の哲学者であるブーバーを支持している団体もあります(というか、ソルトレイク・シティに本部があったりと、いかにもモルモン教の関連団体という気もします)。

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