2018年09月15日に初出の投稿

Last modified: 2018-09-15

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フランス刺しゅうキット

僕が小学生だったから母親が30代だったろうか、50cm 四方くらいのキャンバスにカギ針の先端に糸を通すような形状の器具で、「ポツポツ」と針を刺すだけで刺繍ができるという手芸用品があった。さきほど母親に聞くと「フランス刺繍」だと言っていたのだが、どうもフランス刺繍は「ポツポツ」と針を上から刺すだけで縫えるものではないようだ。様子をキーワードにして検索してみると、クロバーという会社さんの「フリーステッチング(free stitching)」という名称で器具が発売されているのだが、刺繍している様子は似ているのに、どうも器具が無骨で美しくない(笑)。こんな変な器具を使わないといけないような手法の変化があったのだろうかと、やや疑わしく思っていたところ、たまたま違うキーワードで検索していたら「文化刺繍」というものを見つけた。

これだ。これこれ。昔、母親が富士山とか虎の絵を刺繍していたのは(そして僕も遊びでやったことがあるのは)これだったのだ。なんでも、大正時代の終わり頃に中国で刺繍技術の素晴らしさに感動した人物が独自の刺繍針を開発したのだが発祥で、つまりは日本の手芸だったらしい。そして、「藤崎式文化刺繍」とか「東京文化刺繍」などと呼ばれて幾つかの器具が発明されたようだ。しかし、この東京文化刺繍に関連するサイトを見ていると、「フランス刺繍」という名称で、最初に調べたときに出てきたフランス刺繍とは違って、文化刺繍と同じような器具を使うページが出てきた。説明によると、「フランス刺繍とは、欧風刺繍の通称。特に、リンネルなどに枠を用いて刺したものの事です。 フランス刺繍は日本刺繍と違い木綿の布に木綿の糸で刺していくのが特徴です。」とある。すると、使う素材が違うだけで、日本刺繍の針を使ったものも「フランス刺繍」と呼ぶのだろうか。それなら、母親がこれをフランス刺繍だと呼んでいたのも分かる。ただし、フランス刺繍の体裁で猛虎や富士山を縫っていたわけだが。

ともあれ、器具などの製造元が昨年で廃業されたらしいので、いまのうちに買っておかないと、改めてやってみようと思っても遅いかもしれない。

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