2018年03月13日に初出の投稿

Last modified: 2018-03-13

添付画像

記憶している限りでは、当社で初めてバックアップ用に購入したストレージは 1 TB くらいの NAS だった。もちろん、広告代理店案件で芸能人を使った動画コンテンツやら(修正前の)アイドルの写真やら膨大な分量の素材を保管したり、何度も繰り返されるブレーンストーミングとビジュアルデザインの試作から残されたファイルの山を保管しておくためだ。その当時は、社員が全部で20人にも満たない(いまでも50人以下なので大して違いはない)規模だったが、1 TB のストレージは1年もすれば容量が不足の警告が出るほど一杯になってしまった。

僕は、もちろんだがその頃からバックアップが必要であることとか、他の記録メディアへファイルを移してストレージは常に半分ていどの容量を空けた方がいいとか、その手の「情報セキュリティ」に関する警告を全社員に通達したり、啓発用の資料を作ったり、company-wide meeting の場で説明したり、経営会議で各部門へ対応を促したりしてきた。なにせ専任の担当者だし、この手の意義を分かっているのは本物の IT エンジニアだけなので、素人に物事の(別の。「真の」であるとは限らない)道理を教えるのは、僕のようにたまたま知り得たのであろうと、あるいは天に選ばれた才ゆえであろうと、ひとまず知っているという自覚がある人間が「できること」の一つだろう。もちろん、それが義務なのかどうかは分からない。(なぜなら義務や責任だとすると、そういう責任を果たすために特権を要求するのがバカの常だからだ。)

初めて導入した NAS は、その後も二回ほど専用 HDD(専用の商品なので、500 GB くらいでも3万円はした。当時は既に 1 TB でもバルクで数千円の時代にはなっていた)を入れ替えたりして3年ほど使ったと思う。RAID 1+0 の NAS なので、それなりに性能は良かったが、やはり容量の不足はどうしようもなかったので、次に事務器屋さんの勧めで NAS をマスターとスレイブのセットで導入した。3 TB のストレージで、RAID 1 の二台構成だからスピードを犠牲にしてデータの安全性を維持するという方針だ。しかし、この NAS も2年以内には容量がなくなってしまい、そしてあろうことかスレイブがクラッシュしたり HDD の故障が頻発して、このストレージ・システムそのものが脆弱であることが分かった。覚えている方もおられると思うが、特定のロットで重大な不良が見つかった Seagate の HDD を使っていたと分かったのは、次のシステムに切り替える直前だった。というか、2009年に製造元が販売を中止したモデルが2010年に買った NAS に入っているというのは、どういう料簡なのか(もちろん、その NAS が型落ちだったから安く提供できたらしい)。ということで、事務器屋さんとあれやこれやと選び直した末に、2012年からは現行の日立のファイルサーバを使っている。これは非常に安定していて助かる。ただ、いま使っているファイルサーバも 1 TB の RAID 1+0 で容量は多くないため、外付けの HDD を4本も USB 接続で繋げていて、部門ごとにアクセス権を設定して利用してもらっている。ただ、いちばん大きな 6 TB の外付け HDD ですら、もう残りは 300 GB くらいしかなくなっている。ちなみに、上記の写真は現行のファイルサーバと同じ型番のマシンらしいが、フロントのカバーが少し違うので、色々なバリエーションがあるのだろう。(当社で使っている HA800/TS10 のカバーは、いちばん上の右から二つ目の切り欠き部分にランプが付いている。)

つまりは、この10年ほど社内でずっと説明してきたにもかかわらず、残念ながら他の記録メディアに移して HDD の容量を減らすという「情報セキュリティ対策」とも言える実務を全くやっていないらしい(容量不足でファイルサーバが使えなくなるのは、可用性の低下である)。それどころか、全ての部署を調べてみたところ、それぞれの部署で勝手に外付け HDD を買ってファイル置き場にしているらしいと分かった(もちろん僕に自己申告してこない限りは、社内で提出される数万円の稟議を僕が全て見ている筈がないから、やろうと思えば情報資産を勝手に購入して増やしていけるわけである)。要するに、こちらの予想を超えて、ファイルサーバでは足りないくらいファイルを貯め込んでいて、しかもバックアップすらしていない。これでは、いつか外付け HDD がクラッシュしたり、転送先の容量が途中で無くなっているのも気づかずにファイルを「移動」させたりして、大きな被害の出る可能性があろう(ネットワーク越しにファイルを移動させて失敗すると、そのファイルは両方のマシンから失われる。送り元のマシンでサルベージできる保証はない)。

他の部門長と話してみた限りでは、そろそろ容量無制限のクラウドストレージを検討した方がいいのではないかという。彼ら自身も含めてだが、役職者の指導力不足によって招いた事態ではあるが、いまから膨大なファイルを一つ一つ要不要を検証したり、Blu-Ray に焼いてすら相当な時間がかかる作業に工数は使えないからだ。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


※ 以下の SNS 共有ボタンは JavaScript を使っておらず、ボタンを押すまでは SNS サイトと全く通信しません。

Google+ Twitter Facebook