2018年12月28日に初出の投稿

Last modified: 2018-12-28

今年の業務は終了して、自分の机の周りを掃除しながら3年前に賞味期限が切れているカロリーメイトを眺めつつ、そうだ、来期は MBO とか OGSM に取り組むのだったと思い直した。

MBO(management by objectives)などとたいそうな事に思えるが、要するに目標を決めて仕事に取り組みましょうというだけのことである。上司と目標を共有して人事考課に反映するなんてことは、別にどこの会社でもやっているに決まっている。上司が知らないところで部下が勝手に目標を決めたところで、そんなの会社はもともと関知しない。上司と合意した目標について、予実成果や昨対比を管理するのが当たり前だからだ。弊害として「達成度を高めるため目標を低く設定しがち」などと言われるが、目標が低すぎるかどうかを上長が見極める訓練でもあろうから、たった1度だけで目覚ましい成果を上げるなどと期待するのは愚かである。だからこそ、企業というものは継続性が大切なのだ。とりわけ、僕らのような広告系のウェブ制作会社では「予測不能な事情で目標を達成できないことが多い」などと言われるが、これも代理店やクライアントにいつまでもディレクターが振り回されている会社は、MBO のような常識の範囲と言ってもいい人事管理手法に文句を付ける前にやることがあるだろうと言いたい。また、「目標として設定されたこと意外をやらない」などという弊害も、目標に関係のある業務しかやっていない部下なのかどうかマネジメントできない無能な上長を放置することに問題があるのだから、このような管理手法は上長に関するマネジメントも含めて複数の段階や階層に実装しないといけないのだ。

次に OGSM は、調べるとすぐ分かるように "Objective, Goal, Strategy, Measurement" の略である。1950年代の占領期に日本で考案されたとされており、そのあと P&G などの大手企業で採用されたことから、少しは話題になったようだ。しかし、はっきり言って OGSM を専門に扱った本は、あれだけマネジメントや戦略やモチベーションに関する「ハッスル主義」の本を続々と出版しているアメリカですら、ほぼ無いに等しい。つまり、経営学者からは徹底的に無視されており、英語で検索しても三流コンサルタントのブログ記事が見つかる程度だ。それもそのはずである。P&G などの巨大企業では、「このていどのこと」を世界中の従業員が少しでもやるだけで大きな結果に結びつく。広告の効果についても言えることだが、単に何かを僅かでも変えるとか実行するだけで何らかの影響が出るような巨大企業においては、バカでもない限り誰がやってもそれなりの「成果」は出せるのだ。全ての従業員に「業務フロアへ入るときは右足から入れ」と言うだけでも、世界中で大きな反響があるだろう(マイナスの反響だと思うが)。

したがって、最近でも紙切れ1枚に目標やら方針を描いてどうのこうのというシンプルな手法で成果を上げるなどと言っている経営書がたくさん出ているが、単純で些細なことを1年もかけて(ふつう中小企業が1年スパンで成果を待っていては倒産してしまうだろう)取り組ませるなどというのは、もともとが数年分の事業継続をまかなえる内部留保を積み上げている企業でやるようなことなのだ。すると、中小企業で「1年計画」などという悠長な目標管理を導入するには、「短いスパンで一定の結果が出るようなことを繰り返して実行するという計画」を立てさせたらいい。それゆえ、最近のビジネス書では PDCA のスパンを短くとって1ヶ月や1週間どころか毎日という極端なスパンを推奨する本が何冊か出ているのだろう。

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