2018年08月05日に初出の投稿

Last modified: 2018-08-05

何年か前に一読した宮台さんの『日本の難点』を再読してみると、後期高齢者医療制度について言及されていることに改めて気づいた。もちろん、この本が書かれたのは制度が導入されて大きく話題になっていた頃なので、時事として着目することに「慧眼」など全く必要なく、そのへんの犬でも気づいた話題だ。そして、この本を最後に僕は幻冬舎という出版社の本は買わなくなり、自分の論説でも絶対に引用・言及しなくなったので、これから公開する予定の社会保障関連のページでも取り上げない。

そもそも幻冬舎というのは芸能人の瑣末なエッセイを出版したり、都内の人間関係だけで著名人に駄文を書かせるしか能が無い道楽みたいな出版社であり、書籍を出版するということについて特段の矜持は感じられない。駅のプラットフォームでアナウンスする人物が誰であろうと全ての利用者にとっては知ったことではないのと同じく、別に幻冬舎という企業がどうなろうと代わりの「機能」を果たす出版社なんて履いて捨てるほどあるだろう。新書のリストを眺めても、人類や日本どころか任意の日本人を取り上げようと、その将来にとって社会科学的なスケールで言って誤差の範囲に収まってしまうていどの効用しかなかろう。

そもそも、宮台さんは「日本は2014年に財政破綻する」とデタラメを書いた土居という人物を始めとする「社会保障お荷物論」を何の疑問もなく妄信しているようだが、彼が引き合いに出している部分最適化やポパーの piecemeal social engineering を同じように妄信しているがゆえに、グローバルかつグランドセオリーとしての社会科学という見識を見失ってしまったのではないか。特に震災以降は酷いが、ここ10年くらいのあいだに、彼は Twitter のツイートみたいな文章を書くようになった、ただの薀蓄言いのジジイになってしまった感がある。大上段に構えて抽象概念を大づかみに振り回していれば「体系的」な議論をしているなどと錯覚しているとすれば、もうそれは凡庸な元受験秀才の官僚や大学教授にありがちな症状である。早々に、都内の適当な出版社から「宮台真司著作集」でも出版してもらって、アカデミズムからは消え去った方がいい。

ていうか、この人は昔からインタビューや論説でも、たまにハードボイルド調に「俺が世の中の真相を語ってやるぜ」みたいなスタイルになることがあって、西部邁と酷似した印象を受けることがあるんだよね。そして、こういう喋り方って、はっきり言うと右翼の人の喋り方なんだよな。

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