新型コロナウイルスに関すること

河本孝之(Takayuki Kawamoto)

Contact: takayuki.kawamoto (at) gmail.com.
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First appeared: 2020-04-18 21:52:15,
Modified: 2020-04-20 11:31:10,2020-04-20 14:35:20,2020-04-23 10:01:36,2020-04-28 10:56:47,2020-04-28 13:51:18,2020-04-30 20:15:55,2020-05-02 10:54:35,2020-06-18 09:33:58,2020-06-18 10:58:31,
Last modified: 2020-07-24 08:15:39.

Pharexia and authors of File:BlankMap-World.svg / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0).

もくじ

はじめに

このページでは、公的な情報源に加えて僕が信頼できると判断した情報源を紹介するとともに、新型コロナウイルス(正確には「2019年から蔓延した新型コロナウイルスによる感染症と社会政策や世相等」)に関連する個々の話題や論点についての私見も掲載します。なお、統計を集めたり地図にプロットしたダッシュボードの類は、いろいろなセクターが公開していますが、おおよそデータは同じものを使っていますし、数値に格段の違いがない限りは特にどこのサイトを見ればいいとか悪いと言うべきものでもないため、ここでは Johns Hopkins 大学や Google のサイトだけご紹介しておきます。

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情報源

公的機関

Coronavirus disease (COVID-19) Pandemic at WHO
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019
新型コロナウイルス(COVID-19)感染症の対応について(内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室)
https://corona.go.jp/
新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ(国立感染症研究所)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html
新型コロナウイルス感染症について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター(厚生労働省、各都道府県)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口一覧(厚生労働省、各都道府県労働局)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/index_00004.html
各都道府県の新型コロナウイルスに関するお知らせ・電話相談窓口(首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/pages/corona_news.html
Coronavirus (COVID-19) by CDC of USA
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/
https://www.coronavirus.gov/
Government Response to Coronavirus, COVID-19
https://www.usa.gov/coronavirus
COVID-19 (European Centre for Disease Prevention and Control)
https://www.ecdc.europa.eu/en/covid-19-pandemic

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医療系学会・医事関連企業のサイトやページ

COVID-19 Dashboard by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)
https://coronavirus.jhu.edu/map.html
新型コロナウイルス感染症に関する専門家有志の会
https://note.stopcovid19.jp/
#MASKS4ALL
https://masks4all.co/
新型コロナウイルス(COVID-19)に関わる偏見や差別に立ち向かう(Combating bias and stigma related to COVID-19)(日本心理学会)
https://psych.or.jp/special/covid19/combating_bias_and_stigma/
ただしメンタルヘルスについて公開されている提言の中には、実証されていないものもあります。よって、ケアの類については学術サイトだからといって過信しないことが重要です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報(日本集中治療医学会)
https://www.jsicm.org/covid-19.html
AMEDの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する研究開発支援について(まとめ)(日本医療研究開発機構)
https://www.amed.go.jp/news/other/20200317.html
「新型コロナウイルス」関連コメント〜【識者の眼】より〜(日本医事新報社)
https://www.jmedj.co.jp/premium/corona/
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(日本環境感染学会)
http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=328
新型コロナウィルス(COVID-19)関連情報一覧(日本放射線科専門医会・医会)
https://jcr.or.jp/covid19_2020/

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個人・団体・企業のサイトやページ

The COVID Tracking Project
https://covidtracking.com/
Coronavirus disease Stats in 2019 at Google
https://www.google.com/search?q=Coronavirus+Stats
https://news.google.com/covid19/map?hl=en-US&gl=US&ceid=US:en
COVID-19 CORONAVIRUS PANDEMIC at Worldometer
https://www.worldometers.info/coronavirus/
Genomic epidemiology of novel coronavirus - Global subsampling
https://nextstrain.org/ncov/global
山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信
https://www.covid19-yamanaka.com/
“2019–20 coronavirus pandemic” at Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/2019%E2%80%9320_coronavirus_pandemic
COVID-19 Open Research Dataset (CORD-19)
https://pages.semanticscholar.org/coronavirus-research

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論点整理

以下、述べておきたい論点や疑問などを掲載します。

“social distancing” vs. “social distance” (2020-04-28; last modified on 2020-07-24)

これはネイティブでも社会学や社会心理学の用語を知らない人は勘違いしているのですが、日本では行政を始めとして「ソーシャル・ディスタンス」という間違った言い方が広範に広まっていて、あの社内公用語を英語にしているらしい楽天ですら使っている始末です。英語を普段から使っている人なら自然に理解できると思いますが、“social distancing” という動名詞を使った表現は、一定の距離をとって生活《しよう》というアクティヴィズム、つまりなんらかの能動的な行動を促したり、そういうことをやっている状態を好ましいと示唆するというスローガンの意味合いがあります。これに対して “social distance” という用語は、社会の中で区分された複数の集団どうしの距離、つまりは違いですが、要するにジェンダー、民族、宗教、社会階層、教育水準といった格差や差別をテーマにした研究で使われる言葉なのです。(また、杉田敏『NHK実践ビジネス英語』 2020年8月号, p.6 でも、「ing をつけない social distance はもともと、出身階層・人種・性別に関連して、ほかの人との間に心理的な距離を置くことを指す、まったく別の社会的概念です。今回の新型コロナウイルス感染に関しては、心理的・社会的な距離ではなく、物理的な距離を保ることが重要だと明確にするために、WHO は social distancing ではなく physical distancing を使うようになっています」とある。)

また、“social distance” の “social” は単に対象である “society” を指しているだけですが、“social distancing” の “social” には「お互いに」というニュアンスがあり、何らかの原因で離れていればいいということではないという意味も込められているように感じます。これが結果的に離れていたらいいというだけだと、日本のように実は「文化」と称する建前やイカサマの背後に強烈なエゴや傲慢さを隠している民族(と僕には思える)では、たいていの人は相手に責任を擦り付ける言い訳として、この言葉を持ち出しかねません。本来の意味合いはどうなっているのかということに僕がこだわっているのは、言葉を微妙に言い換えることで、自分たちに都合のよいニュアンスを正当化する(「日本では」こういう意味に使っていると言い訳できる)卑怯さがうかがえるからです。(もちろん、これを凡人に特有の儚い抵抗や生活の知恵や処世術だと弁護したり寛大に解釈することはいくらでも可能ですが、日本にはそういう実質的にはポピュリストと大差ない文化人や思想家や物書きがあまりにも多すぎると思います。)

なお、“social distancing” という表現は新型コロナウイルスの流行によって使われ始めたわけではなく、1960年代から公衆衛生の施策として使われてきた言葉のようです。ただ、2000年代に入っても「社会的制裁(social sanctioning)」の意味で使っている人もいるため、英語圏でも他の分野の研究者にまで普及している用語ではないのかもしれません(もっとも、「パラダイム」のように普及しすぎるのもどうかと思いますが)。それから英語版の Wikipedia では、紀元前からある「隔離政策」のようなものを紹介していますが、これらは “social distancing” の事例ではありませんし、それらの多くは人権侵害を伴う不当な政策だったわけで、それらを一緒に説明するのは不適切だと思います。

参考

Enemark (2017)
Christian Enemark, Biosecurity Dilemmas: Dreaded Diseases, Ethical Responses, and the Health of Nations. Georgetown University Press, 2017.
Szasz (2020)
George Szasz, “Social distancing: Origins and effects,” British Columbia Medical Journal, April 9th, 2020, https://www.bcmj.org/blog/social-distancing-origins-and-effects, accessed on April 28th, 2020.
Westphal and Khanna (2003)
James D. Westphal and Poonam Khanna, “Keeping Directors in Line: Social Distancing as a Control Mechanism in the Corporate Elite,” Administrative Science Quarterly, Vol.48, No.3 (September 2003), pp.361-398.
これは “social distancing” を “social sanctioning” の意味として勝手に定義して使ってしまっている事例。

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いまだに「俺はかかってないからマスクは不要」とか言ってる人々へ (2020-06-18)

研究者のチームが運営している #MASKS4ALL というサイトに掲載されている FAQ を参考に、翻訳というよりも翻案と言うべき内容ですが、マスクの効用についてご紹介しておきます。既に科学の結論は出ており、これを受け入れない人は心理的な事情で意固地になっているか、あるいは手ぬぐい1枚を買うだけのお金がない人物としか思えません。前者は単なる愚か者であり、説得するべき困った人ではありますが、同情の余地はありません。それに対して後者は、それはそれで気の毒なことですから、もしそういう事情でマスクを《しようにもできない》人がいるなら、公的な支援が必要です。

どうして大多数の人がマスクをした方が良いのか?
マスクをすると、くしゃみや咳をしたり、単に喋っているときに飛散する唾液の量が 99% もマスクで止められます。感染症の約半分は無症状の人から感染するため、自分が感染しているという自覚のない人がウイルスを撒き散らしているわけです。結果、そういう無症状の人が「自分は感染していない」と錯覚してマスクを外すことが、最も危険な行為であると言えます。
では、感染した人だけがマスクすればいいのでは?
無症状の人が自覚できるていどに発症する(そして PCR 検査などの結果が出る)までマスクしないというのでは、そのあいだ(10日前後と言われる)にマスクをしないことで大勢の他人にウイルスを撒き散らすことになりかねません。咳やくしゃみをしていないというだけで、マスクをせずに他人と喋るだけで、ウイルスを感染させている危険があります。
WHO は健康な人がマスクをする必要はないと言っていますよ?
具体的に PCR 検査をしない限り、誰が感染しているのか分からないのですから、健康な人なんて誰なのかも分からないわけです。したがって、健康な人はマスクしなくていいのは自明ですが、健康な人が誰なのか分からないという前提においては、やはり全ての人がマスクする方が良いでしょう。WHO も、この理屈は否定しない筈です。
マスクの効果に関する RCT(ランダム化比較試験)の結果はありますか?
マスク、手洗い、それから social distancing についての RCT の結果はありません。また、このような社会的な振る舞いに関する実験では、条件を正確に揃えたり再現することが難しい場合もありますし、そもそも人の生命に関わることなので、「わざと効果のありそうな対策をしない人々」を選んで実行してもらうことには、重大な倫理的問題があります(簡単に言えば、「医学論文を書くために死んでくれ」と言っている可能性がある)。
RCT の結果がないなら、マスクの効果には確証がないのでは?
RCT は科学の唯一の検証方法ではありません。これ自体にも色々な統計学的な問題があります。また、RCT の結果がないとしても、パンデミックのように未知の状況へ陥っているときは、予防原則の観点から色々な措置を RCT の結果に頼らず採用することが求められます。
逆に、マスクが無効であるという RCT の結果はないのですか?
インフルエンザについては、いくつかの結果が出ているようです。しかし、コンプライアンスの強制はなかった状況で行われた実験の結果であるため、現在のパンデミックにある状況とは異なる評価をしなくてはなりません。COVID-19 のようにパンデミックとされている状況においては、もちろんロック・ダウンをはじめとして様々なコンプライアンスがはたらくため、マスクの効果は更に高くなると推定されます。
100% の効果がないとマスクは有効とは言えないのでは?
いいえ。100% 有効なマスクなどありません。でも、ウイルスの飛散が少ないほど感染のリスクは抑えられます。
ウイルスは本当に空気中で感染するの?
まず、「飛沫感染」と「空気感染」の区別が混乱しており、その元凶の一つは WHO にあるのですが、少なくともウイルスがくしゃみや咳をしたり会話するときに口から飛ぶ唾液を経由することは明らかです。また、飛沫が空気中に一定の時間だけ滞留したりエアロゾルとして移動することで感染が広がったとする研究もあります。それから、韓国の或るコールセンターでは特定の階ではたらく人たちだけが集団感染しており、もし接触感染なら他の階の人たちにも(同じエレベータを使ってボタンを押したりしていたので)広がっていた筈です。
布マスクでは空気中に滞留しているエアロゾルとウイルスを止められないでしょう。
ウイルス自体の大きさが布マスクの繊維よりも小さいのは事実ですが、これを理由にしてマスクの着用を否定する人たちは、それ以外の圧倒的なケースではウイルスが唾液のように大きな飛沫で運ばれる恐れがあるという事実を軽視しています。このリスクを軽減させることも有効であるという事実を忘れないようにしましょう。なお、マスクの効果を高めるために、キッチンペーパーやコーヒーのフィルターをマスクに挟むといいようです。
マスクしていればお互いに近づいて逆効果なのでは?
まず、マスクをしたからといってお互いの距離が近くなっても安心するかと言えば、逆にお互いがマスクをしていることで事の重大さを自覚するため、寧ろお互いの距離をとって維持しようとする心理も生まれるようです。
マスクを間違って扱うと逆効果なのでは?
ウイルスがマスクを透過するケースは非常にレアです。また、表面に他人からの飛沫(つまりウイルスが含まれる可能性がある飛沫)を付けたまま扱っているマスクから感染したという事例はありません。ともかく、口からウイルスが侵入するのを防げたらマスクの効果はあると言えるわけで、それ以外のマスクの取り扱いについては別の問題だと言えます。大多数の人が、使ったマスクの表側を自分で舐めるなどという愚かな習慣があればともかく。
多くの人がマスクを使うと医療従事者が使えなくなるのでは?
マスクの着用が義務付けられている多くの国では、マスクは手作りのものを使っています。医療従事者が使う N95 のように高性能なマスクは一般人には必要ありません。
マスクを使うかどうかは個人の自由の問題では?
それが、自分から他人にウイルスを感染させる(場合によっては殺す)自由でもあると分かった上で、正気で言っているなら、そうなのでしょう。(一般に、リバタリアンと呼ばれる人々は経済活動の自由、つまり「経済を回すこと」こそが人間の自由の本義だと考えるので、このような発想をしがちですが、会社が倒産することと自分や見ず知らずの人々が死ぬこととを、どうやって秤にかけられるというのでしょう。僕は哲学者として、このような人々の発想は「思想」の名にすら値しない、妄言としか思えません。)
マスクをするとそれがスティグマ(差別を受けやすい外的特徴)になるのでは?
自覚症状のある人だけがマスクをしているような状況ならそうかもしれませんが、普遍的にマスクの着用を求めている場合は、スティグマの効果を減らすことになります。
マスクはアジア人の文化的風習ではないの?
西洋人がマスクしない、あるいはできないという理由はありません。

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