書籍という商品

2009-10-21 02:13 / hittings

不問としていることがたくさんある。これは誰しもそうだと思うのだが、僕の場合は書籍を商品として考えたときに、これまで気にしていなかったことに気付いた。それは、売買契約の意思表示を示すにあたって、消費者が予め書籍の内容を知りたいと考えることが正当なのかどうかという点である。

もちろん、書籍を購入するに先んじて内容を確かめる権利など消費者にはない。だから、Google Book Search のようなもので書籍の内容を知ることが、購入の条件として請求可能な消費者の権利であるかのように議論するなら、それは適法で真面目な議論と言うよりも、ただの子供じみたわがままでしかないだろう。また逆に、出版社の側から新聞やリーフレットなどで新刊を案内したり、既刊出版物の一覧を知らせてくれたり、サンプルとして一部を配布することすらあるわけだが、これらはあくまでも営業・マーケティング・広告活動の一環であって、出版社の義務などではない。

では、いったい僕はどこに引っかかっているのか。少し解きほぐしてみよう。まず、書籍や雑誌を購入する機会や手段は色々ある。僕らは駅の売店で『ニューズウィーク』を買ったり、路上で『ビッグイシュー』を買ったりするだろう。また、実店舗で一冊ずつ購入するだけでなく定期購読する場合もあるだろうし、いまではアマゾン三省堂紀伊國屋ジュンク堂といったオンライン書店でも新刊・古書によらず購入する。そして、どういう手段で購入しようと、僕らは必ずしも内容を確かめてから買っているわけではない。定期購読では半年後の内容など予め確かめようがないし、駅の売店の前で内容を確かめてから新聞を買う人など殆どいないだろう。

もちろん、購入するにあたって内容を確かめずに買っているのは、僕らがある程度の信用を出版社や新聞社あるいは小売店に与えているからだ。予め内容を確かめていないのは、禁止されているからというよりも、僕らの側が自然にそう振る舞っているからであり、任意に下している判断ゆえなのだ。逆に書店や販売店が、コンビニに置かれているマンガの単行本やエロ本みたいに、一冊ずつ雑誌や新聞に封をしていたとしても、僕らには封を開けさせる権利などない。「そういう条件でもよければ買って下さい」という商品の陳列方法が、消費者の何らかの権利を侵害しているなどということはないのである。もちろん、僕らは封されている書籍や雑誌が「きちんとしたもの」であることを期待し、その期待に含まれている信用は売買契約がまともに成り立つための基礎と言ってもよいだろう。買った後に開封してから落丁とか乱丁を見つけたら、交換してもらいたいと請求することは完全履行請求権に照らして認められ得る。

では、表紙の画像や写真、あるいは題名や目次という限られた情報から期待できることと、実際の内容が食い違っている場合はどうだろうか。書籍の内容をあらかじめ確かめたいというとき、期待する内容と実際の内容が食い違うことを恐れるよりも、寧ろ何を期待できるのかはっきりしないから確かめたいと思う人が多いのではないかと思うが、それはまた別の話である。

・・・すまん、上記の原稿を書いてから時間が経ちすぎて、どの辺にひっかかっているのか忘れた(笑)

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KAWAMOTO Takayuki

Mr. KAWAMOTO Takayuki
also known as philsci
(birth day: Sep 20 1968)
live in Osaka city, Osaka, Japan.

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