Typographica が選ぶお気に入りタイプフェイス2007
2008年03月08日 23:58
Typographica というタイポグラフィのブログがあって、昨年度のお気に入りタイプフェイスを発表しています。
まずは発表されたタイプフェイスをご覧下さい。じっくり比較してみるには、まずそれぞれのタイプフェイスを販売しているサイトへ行ってみましょう。中には、Greta Text の Typotheque 社がやっているように、自分で入力したテキストを好みのフォントで表示してくれるツールがあるので、参考になります。ちなみに、Greta Text は実際に Typotheque のサンプル出力ツールで出してみたら、想像以上に縦の線が膨らみをもっていることが分かりました。
正直な話、僕はサンセリフ体(邦文だとゴシック体でも同じことが言える)で「美しい」と感じる書体が殆どなくて困っているのですが、今回もサンセリフの書体で使いたいと思えるものはありませんでした。なかなかよい書体がないですね。
いま会社で、現行の会社案内はちょっと安っぽい中小企業みたいなので、2008年度版をつくっています。「ネット企業だから」とかいうわけのわからん理由でゴシック体を使うようになっているのですが、新ゴだの見出しゴシックだの AXIS だのとは言っても、みなそれぞれにどこかおかしな癖があって難しいです。別件で書いたように、これは俗説ですが、
- 新ゴは関西のデザイナーが好む(安っぽいから)
- AXIS は関東のデザイナーが好む(流行りならなんでもいいから)
と言われたりしますが、私見ではどちらもおかしな癖というか歪みがあって、ウェブていどの解像度で使うならともかく、よくこんなタイプフェイスを印刷物の書体として使えるものだと感じます。ゴシック体は線に歪みがあったり、カチッとしたところとゆるやかなところのバランスが狂うと、単なる下手なペン字みたいに見えるのです。
で、どういう基準で「美しい」とかそうでないと言ってるのかというと、僕は基本的に視認性の悪い書体はいかなる理由であろうと他人には薦めないことにしています。したがって、スクリプト体の書体をロゴなどに使うことはありますが、r なのか t なのか分からないような書体は使いませんし、飽くまでも僕の使える範囲でしか使わないので、「美しい」のなんのといった論評を他人に語るような対象ではないと思っています。
ですから、当然ながらオーソドックスな字形の書体が好みになります。先の Typographica サイトで紹介されている一覧から言うと、National とか Lineare Sans とかが好みの範疇に入ってきます。逆に、Purista のような手書き風の書体であるとか、Minischule のように字形の一部を塗りつぶしているふざけた書体は勘に障る(笑。おそらく、5年ほど業務用のワープロでレイアウトや入力の仕事をしていた時期があったので、「本文(ほんもん)にも使えないような書体はだめ」という感覚があるんだと思います。
いまとは違って、昔の業務用ワープロにはフォントを使い分けることなどできませんでしたし、書体にこだわるなら電算写植を使えという時代だったので、見出しと本文でどちらも同じように読みやすい書体でなければ「使い物にならない」という時期を経験していたからではないかと思います。もちろん、雑誌の編集者時代には何種類もの書体を使い分けて台紙に指定し、凸版印刷さんなどに入稿する経験もしていますが、どうもモニターに映るフォントになると感覚が違ってしまうのかもしれません。
