最終更新日: 2008年08月29日

「Sunのコンテナ型データセンターが販売開始」

2008年02月02日 00:41

今回は別にデータセンターのお話をしたいわけではなく、最近テレビやネットで見聞きする、この「が」の用法についてお話したいのです。

ごくふつうに受け取ると、

Sunのコンテナ型データセンターが何かを販売開始した

と言っているように見えます。しかし実際には、

Sunのコンテナ型データセンターが販売開始された

という受け身の表現を省略しているのだと言えるでしょう。 ひとたびこれは省略だと気づけば、特に違和感のない表現にも思えてくるから不思議です。もちろん、新聞にもこのような語法があることは知っていますが、ウェブページは一つか二つの文字数に気を使うほどの媒体ではないと思うので、書いている人には自然とそのような語法が既に身に付いているのでしょう。

僕はどれほどの文字数制限があっても体言止めを好まないので、このような表現はしませんが、だからといって個人的な好みで他人の書くものをあれこれ言うつもりはありません。しかし、その書かれたものが第三者に向けて書かれているなら、用法としての良し悪しを端から語ってもよいと思うのです。つまり、一般的な用法としての良し悪しとか適不適の話です。すると、昨今はテレビでもアナウンサーがこの用法をよく使うようになってきていて、とりわけ話し言葉としては書き言葉よりも強い違和感を覚えます。

ここでご紹介した文例が現れたスラッシュドットでは、このタイトルについて、

昨今のニュースサイトの見出しを見ていても、「○○が販売開始」という用法をよく見かけます。
タイトルのような用法も、(少なくともweb上では)日本語として市民権を得てきつつあるようです。

http://slashdot.jp/hardware/article.pl?sid=08/01/31/0654215

といったコメントが寄せられています。そして、

普通だと思うのですが…。一部の人がそういうところにツッコミを入れる心理が理解できないです。

というコメントまであります。 もちろん、前者のコメントの書き方と比べて、この後者のコメントは或る種のプロパガンダの効果があるので(ツッコミを入れる人だけが違うことを考えていて、発言しない人は自分と同じ意見だと言えるような証拠は、どこにもありません。自分が大勢側にいるとアピールしたい人がよく使うレトリックです)、コメントを書いた人が自分自身の意見を述べているにすぎないとしても、詭弁の誹りを免れないと思います。それはそれとしても、この表現に全く違和感を持っていない人がいるということは、この用法が「省略でない用法」よりもたくさん使われているわけではないので、こう言っていいかどうかはともかく、「正しい用法」をぜんぜん学ばずに育っているか、あるいはこの用法が「正しい用法」の省略であることを全く自覚しないで日本語を読み書きする人が出てきているということの証左になるのかもしれません。もちろん、これをケセラセラ・ポストモダンやヘタレ相対主義を垂れ流した教師とか講師のせいにして得々としているほど、余所事だとは思えません。それゆえ、MDに言葉や言語のカテゴリーを立てて、自分自身のくだらない表現も含めてあれこれ論評しようと思ったのでした。

コメントがあればご記入ください。

  

  

  

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