最終更新日: 2008年11月22日

「美しいあした」のパッケージ

2006年05月03日 16:49

明治乳業から出ている、「美しいあした」というヨーグルト・ドリンクをコンビニで見かけたのです。こんなの。

パッケージ

一見すると、パッケージの素材がもつ質感やメインカラーのややくすんだ白が化粧品のパッケージングに思われて、さすがに美容アドバイザーのおばちゃ んも起用しているだけあってうまいなぁと思ったのでした。でも、手にとって暫く眺めていると、キャップ付近のくびれた部分や底部、あるいは成分表にあしら われているグレーに違和感を覚えたのでした。なんというか、黒ごま入りヨーグルトみたいというか、パッケージで使われている赤やシアンなどとのバランスが 微妙すぎる。それからパッケージにテキストがドンと配してあるだけというのも、ヨーグルトを売りたいというよりは、「美しい」というキーワードで女性客を 狙ってます的な雰囲気が漂いすぎているように思うのです。つまりは、マーケティング臭が漂いすぎている(笑。

そこで、これをデザインしたサイトウマコトさんのインタビューを読んでみると、まず白を基調としてテキストだけを配したことにより、「顔つきとして も目立つだろうし、なによりもシンプルなのがいいと思う」のだそうな。うーん。確かに白だけを使ったパッケージはなかなかないと思いますが、どこのヨーグ ルト商品も、真っ白はともかく白っぽい色は必ず使っているでしょう。ていうかパッケージ制作や印刷の工程からして、わざわざ色つきの素材に色を重ねる方が 手間なわけですから、ベースの色が自然と白なのは既にご存知の筈です。で、どこのヨーグルト商品も、上から重ねるネイビーとかブルーとかアロエ色とかの割 合が多いか少ないかの違いがあるだけで、白をベースにしている点で違いはないと思います。

それからシンプルというのも曲者で、パッケージに書かれているテキストを見ると、僕は文字が多すぎると感じました。「シンプル」という言葉がミニマ リズムを含むなら、このパッケージのテキストはぜんぜんシンプルではない。「LB81乳酸菌」とか何とかいった、特に興味を惹くわけでもなさそうな成分名 など書くべきではないでしょう。また、飲み物のパッケージであることが明らかなのに、「ドリンクタイプ」とわざわざ書いている理由もわかりません。固形物 として売られている方の宣伝を兼ねているのかもしれませんが、文字の色を変えて正面に表記するほどの理由はないと思います。つまりは詰め込みすぎだし、テ キストのそれぞれが先ほどと同じく宣伝臭を放ち過ぎているように感じます。商品名の下にある「ハリとツヤの生活」という、アドバイザーのおばちゃんのコメ ントから取ってきたリードを活かしたいのであれば、ご本人が述べているとおり手を入れすぎずに、

明治美容ヨーグルト
美しいあした
ハリとツヤの生活

とだけ表記した方がよかったのではないでしょうか。

それから、サイトウマコトさんのコメントでやはり引っかかるのは色の感覚です。結局、どうしてパッケージの上下にグレーを使ったのかという説明はなかったのですが、一点だけ気になるコメントがありました。

ヨーグルトの「白」は、やわらかくてやさしい白なんだよね。「白」という色の持つ、母乳のようなあたたかくて安心感のあるミルキーなイメージ。全体をグレイッシュなトーンでまとめたのは、ヨーグルトの持つそんなイメージを伝えたかったから。

「あたたかくて安心感のあるミルキーなイメージ」を伝えたいために、「グレイッシュなトーンでまとめた」という感覚が分からない。パッケージから受 ける印象として言うと、上下に入っているグレーのラインや、テキストの強調に使われているシアンのおかげで、白は白でも青っぽい白に見えます。化粧品の パッケージっぽい効果を狙っているならそれでもよいと思うのですが、当初のイメージが「あたたかくて安心感のあるミルキーなイメージ」と言われてしまう と、デザイナーってブルーグレイに暖かみや安心感を覚えるのかぁ・・・という、一種の掴み所のなさを感じてしまいます。確かに企業サイトの背景色をブルー グレイにすると信頼感や安心感を出せるとは思いますが、乳製品のドリンクにブルーグレイを使って安心感はないだろうと思うのです。

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