感情を抑える言い方
2006年08月24日 22:54
ニューズなどでインタビューに答える人の発言を見聞きしていると、幾つかの特徴ある話し方の人がいます。今回はその中から幾つかを拾い出してみます。
ニューズなどでインタビューに答える人の発言を見聞きしていると、
「こんな事件はけしからんといった感じで。ええ。」
とか、
「いまは怒りがこみ上げてくるという形です。」
といった表現が老若男女を問わず散見されます。
よく言語学者や教育関係者が若者をとらえて、「これは良くないぞ、みたいな」とか「あの人の考えていることは少し偏ってる、的な」 といった表現に日本語の将来を憂う構図はありますが、実際のところ年配者の日本語も乱れているのではないでしょうか。しかもマスコミなどで一方的に「言葉 の乱れ」のメインストリームに仕立てられがちな若者たちに隠れて、年配者たちにも乱れが蔓延しているのではないかと思います。ただ、ものごとの良し悪しや自分の感情を明言しない言い方はたくさんあって、よく年配者が「こういうふうになっておるけど、どうなんやろうねぇ。」と、暗に疑念や無関心を表す言い方など、のらりくらりとした言い方がもっている効力は昔からよく知られていたのでしょう。したがって、ものごとの善悪や自分の感情を明言しないことそのものを良い悪いと論じる必要はないと思います。寧ろ、言葉の使い方の変化は若者だけに責任を負わせるべきことではなく、語用法が時代とともに変化するときの主体(この言い方に語弊があるなら、agent と言ってもよい)は、その言語を用いる構成員全てなのだという点に着目した方が、ものの言い方の変化について幾らか正確に考えられるのではないでしょう か。
興味深いことに、こうした自分の感情や意見を遠回しに表明する仕方にはいろいろあります。例えば僕の同僚の FLASH クリエイター君の場合は、社長に意見を言うとき、わざわざ社長の口真似でタメ口になったりするのです。時として齟齬が起きると、ただ単に失礼なだけの発言になりますが、どういう場面で真面目な口調を使うかは、若い人たちも彼らなりに空気を読んでいるのでしょう。
