2017年09月08日09時10分 に初出の投稿

河本孝之Takayuki Kawamoto

Last modified: 2017-09-08 09:10:38

僕がいま住んでいるマンションの近くに、転居してきた頃は小さな鉄道模型店があった。角地の小さな敷地に、店の外から眺めても大量の模型やジオラマの材料がうず高く並べてあったという記憶がある。その店は、僕が近所へ転居して来てから3年くらいで閉店し、いまではコインパーキングの敷地となって久しい。検索してみると、店主が亡くなってしまい、そのまま閉店したとのことである。コインパーキングになってから、改めて店舗だった敷地を眺めてみると、どういう建物跡の更地でも感じることだが、非常に狭い。よくこんな狭い土地に住んで店舗を営み、店の外からは膨大な数に見える商品を置いていたものだと感心する。

このような専門の店、それが鉄道模型であれアダルトビデオであれ焼き芋であれ、売り手自身が商材とその分野を愛好していて、大規模ではなくとも一定の需要に応じてビジネスを継続できる業種というのは、これからも色々な業種が生まれては消えていくのだろう。そして、それぞれの業種で商売を営むにしても、色々な人たちが売り買いしつつ、始める人もいれば辞めていく人もいる。個々の商圏なり業種は小規模かもしれないが、圧倒的多数の「ビジネス」なるものは、こういう規模のやりとりが世界中で夥しい数で繰り返されてきている。名だたる企業の動静は(そういうものしか見ていないマスコミが伝えるのだから)傍目には派手に色々と見えるわけだが、実際のところ業種あるいは、地球の薄っぺらい表面であれこれやっている矮小な生き物の生活圏という範囲ですら、そのインパクトのほどはどれほどのものだろうかと思う。もちろん、こういうささやかな規模で営まれているリテイラーと Microsoft や GM とを安易に比較することはできないしすべきでもないが、無視してよいわけがないというのも確かだ。

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