2017年05月10日12時39分 に初出の投稿

河本孝之Takayuki Kawamoto

Last modified: 2017-05-10 12:39:49

素人も含めたエンドユーザ側でわざわざ対応しなきゃ実現しない「汎用性」なんてものにリアリティがないのは、XHTML の歴史と利用実態によって理解されているはずではなかろうか。XML 形式にすることで、コンピュータによる処理が効率的になるから、みんな XML 形式でウェブページをマークアップしましょうなどと言っていた人々もたくさんいたわけだが、そういう人たちはいまどうしているのだろうか。今度はウェブ・スクレイピングの瑣末な技術でセミナーを開いたり、翔泳社や技術評論社や毎日コミュニケーションズあたりから詰まらない本でも出版しているんだろうか。

いずれにしても、そういう、ツールの使い方を専門学校や大学の学部で習ったていどの自称ウェブエンジニアの大半がモデル理論や離散数学を理解してなくてもマークアップでメシが食えるという事実からして、既に設計思想や数学的構造を理解しているかどうかとは関係なしにマークアップは道具化しており、良くも悪くもコモディティ化したということだろう。つまりは当サイトの「ウェブ業界はどこを向いているのか」という論説で、ウェブ制作は「普通の仕事になる」と言ったとおりなのだけど、それはとりもなおさず、広告系の事業とホームページ屋さんの事業とに分裂した業界において、一方は(この分裂を単純に「上下」で表現するのは不適切だろうし、差別的なニュアンスを込めたくない。もちろん僕はナショナルクライアント案件をやっている「他方の側」にいるわけだが、別に自分達が零細商店のホームページ制作と比べて「上等な」ウェブ制作をやっているとも思わない)誰でもできる仕事として労働集約的な事業になっていく他はないということでもある。皮肉なことだが政治家やコンサルも含めて「凡人でもできる」ようになった仕事は、たいてい凡人だけがやるようになる。

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