2017年04月13日09時22分 に初出の投稿

河本孝之Takayuki Kawamoto

Last modified: 2017-04-13 09:22:53

多くの企業でも、成功体験なるものにしがみついていると時代の変化に対応できないと言われる。実際、殆どの組織において「実績」なるものは、それが商品開発だろうと特許だろうとクリエーティブだろうと、実はただのラッキーや思い付きや人間関係の融通で為し得ただけのことにすぎず、それらがその程度の事情で為し得ただけだったという具体的な分析が不能な状況で(そして多くの企業では小文字の政治という事情で社内にすら開示されない)、結果としての数字や受賞歴だけが神話化されてしまいがちだ。したがって、こうした成功体験にしがみつくことが組織において危険であると主張する場合にも、それがどう危険であるかを、これまた多くの経営学者やコンサルタントは知らずに漠然と「失敗という実績」だけで語っていることが多々ある。

そもそも企業の経営というものは、何がしかの同情とか公平さとか遵法精神を切り捨てて、はっきり言えばサイコパスや嘘つきでなければ満足に務まらないものだ。そういう人々が学者やコンサルていどに本当のことなど喋るわけがない。そして、彼らの話を聞く側の経営学者やコンサルタントが、対話から経営者が正直に話しているかどうかとか、また何を言っていないかを探り当てる、会話分析の技能や心理学の学位を持っていたり専門的な訓練を何年も受けているという事実など全くない。彼らが通俗的な出版物で頻繁にとりあげる「フレームワーク」を始めとする図式は、簡単に言えば素人が適当な場数という経験だけを頼りに科学者ごっこをしているだけであり、学術的な根拠など殆どないのである。

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