2017年03月14日08時52分 に初出の投稿

河本孝之Takayuki Kawamoto

Last modified: 2017-03-14 08:52:50

日本からジョブスは誕生するか? 鍵を握るSTEM教育

日本でもアメリカでも、この手の天才待望論は昔から凡俗のコンプレックスや期待を反映して好まれるのだけれど、実はこれまでの成果を殆ど学んでいない教育の素人が塾の講師や IT 企業での数年の就業経験ていどで IT 教育を初めても全く見込みがない。それこそアマチュアの当てずっぽうで子どもたちを「人体実験」しているだけだ。そして、こうした英才教育が本当に有効なのであれば、教育方法論の追跡調査をやっている国ではとっくに一定の結果が出ていて有効な手法は実用化されているはずだし、実際にアメリカでは BHSS (Bronx High School of Science) などが第二次世界大戦前から存在していて、英才教育を最初からやっていたのかどうかは知らないが、現在では理数系の英才教育でよく知られており、グラショウやワインバーグといったノベール賞の受賞者を何人も輩出している。

つまりは、思いつき程度でこのような事業を始める人間は歴史に対する知的誠実さに欠けているという一点で、他人にものを教える資格など最初からないのだ。そして、そもそもスティーヴ・ジョブズやビル・ゲイツにとってプログラミングやシステム開発は手段であって、IT のリテラシーを子供のうちから叩き込めば彼らのような事業者が生まれるという発想は、手段と目的を完全に取り違えている。これは既に何年も前から指摘されていることなのに、都内の IT チンピラどもは気づかないフリをしているのか、一向にこういう「善意の起業」とやらをやめようとしない。それとも、気づいてないフリをして助成金や投資を集めたりパブリシティを得て、文科省のなんとか委員にでもなりたいのか。

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