2017年03月13日09時58分 に初出の投稿

河本孝之Takayuki Kawamoto

Last modified: 2017-03-13 09:58:07

僕は堂島にある、ウェブ制作とオンラインサービスの二つを主事業としている会社で情報セキュリティのマネジメントや開発を担当している。ISMS やプライバシーマークの認証・認定を受けているため、当然ながら全ての業務マシンや社内システムにはセキュリティ対策が施されており、その一つが漠然と「セキュリティソフト」と呼ばれているアプリケーションの利用である。別に隠すこともないから書いておくと、当社が使っているのは ESET Internet Security である。これまで何度か名称が変わったり購入したモデルが変わっているため、NOD32 とか Smart Security という呼称も使っていた。また、MacOS X では Cyber Security という特別な名称となっていて、名前だけではなく実質としても Windows 版に比べて幾つかの機能がない。

さて、社員の新規採用に合わせてライセンスを購入してきたため、いまでは月額課金のプランがあるようだが、現状では 5 台のマシンに 3 年分使えるという条件のライセンスを適用している。これらのライセンスは 2014 年頃に数多く購入・更新したため、本年度に入ると次々に再びライセンスを更新しなくてはならなくなってきた。実は、ESET のライセンスを購入してきた経緯は社内の人間が知り合いだった会社からパッケージ版を買ってみたり、急いで買ったマシンにすぐライセンスを適用するためにアマゾンで買ってみたりと場当たり的だったため、購入する手順が決まっていない。そのため、今回も適当に販売代理店やアマゾン、ヨドバシ等を調べてから、会社へたびたび電話や営業メールを送ってきていた某社から購入してみることにした。約 10 年くらい前に JASDAQ へ上場した事務用品屋さんである。

先週の月曜日に営業電話がかかってきたので、ちょうどこちらから発注があれば飛びつくだろうと考えて、ESET のライセンスを 10 本ほど買うことにした。もちろん上場企業を相手にするのだから、こちらもヨドバシやアマゾンから買うのとは訳が違うことくらい分かっているので、まずは見積もりを上げてもらうよう打診したわけである。しかし、その後の経過ときたら・・・水曜日に単価の見積もりが上がってきて、10 本分の見積もりを改めて請求して木曜日に 10 本分の見積もりと注文書が返ってきて、稟議と押印申請を回して金曜日に注文書を送ったのだが、一週間も経過したこの月曜日になっても請求書を送ってくる気配がない(もちろん、請求書がない限り、見積書だけで経理は振り込みなどしないのがまともな会社である)。というか、請求書を送ってくる代わりに、今後も取引があると思うので記入してくれと「取引先登録票」なるものを送ってきて、当社の各期末の純利益や自己資本比率を記入しろという。

日本は、先進国の中でも飛び抜けて労働生産性が低く、それを残業や休日出勤でカバーしているにすぎないと言われる。購買力平価 (PPP) 換算した US ドルで 74,315 ドルというのが日本の労働生産性で、OECD の平均である 89,386 ドルを大きく下回り、90 年代後半以降は 20 位あたりを推移している(日本生産本部「労働生産性の国際比較(2016年度版)」)。現在でも日本の名目 GDP は世界第三位となっているが、労働生産性の低さに見合っていない名目 GDP の大きさに帳尻合わせしているのは、多くの人々が指摘するような長時間の残業や休日出勤、あるいは自宅作業や通勤時のメールのやりとりなのであろう。上場企業なので一定の制約がかかった業務プロセスがあることは分かるが、「決まった手順がある」ということと「その手順を遂行するのに時間がかかる」ということは別である。

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